HTTP/1.1 200 OK Date: Tue, 03 Nov 2009 00:16:47 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:衆院予算委 政治家同士 議論深めよ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

衆院予算委 政治家同士 議論深めよ

2009年11月3日

 鳩山内閣発足後、初の衆院予算委員会が開かれた。国会審議でも「脱官僚主導」を掲げる民主党政権下で始まった本格的な論戦。外交、財政などの課題について、政治家同士で議論を深めるべきだ。

 首相や閣僚が、官僚に答弁を任せず、官僚の作ったメモを読まず、政治家として自分の言葉で語る。これが民主党、特に小沢一郎幹事長が目指す国会の在り方だ。

 小沢氏は、国会の求めに応じて専門的な事項について官僚が答弁する「政府参考人」制度を含む官僚答弁の禁止を、国会法で明文化することも目指している。

 官僚答弁禁止は与野党に異論があるようだが、官僚答弁を排し、政治家が自らの言葉、責任で答弁するという方向性は正しい。

 この日始まった衆院予算委は、そうした国会審議での政治家主導が試される場となった。

 攻める自民党側で質問に立ったのは大島理森、町村信孝、加藤紘一各氏ら論客のベテラン議員。

 答える側も、官僚が三行以上の文章を書くと、国会答弁で読む時に間違える「通称三行大臣」は一人もなく、自らの言葉で答弁し、聞き応えのある論戦となった。

 ただ、議論が深まったとは言い難い。自民党の追及にも、米軍普天間飛行場の移転問題についていつまでに結論を出すのか、インド洋での給油活動に代わるアフガニスタン支援策が具体的には何か、明らかになることはなかった。

 これは自民党側に、政府を厳しく追及する「野党力」が不足していたことが大きな要因だ。大島氏らベテランに続く中堅の論客不足も否めず、「与党ぼけ」から早く脱し、鳩山内閣と対峙(たいじ)する態勢を整えることが急務だ。

 民主党からは海江田万里、平岡秀夫氏らが質問に立った。

 民主党は当初、質問を見送る方向に傾いていた。議院内閣制における国会を「政府と野党の議論の場」と位置付ける小沢氏が、与党質問は形骸(けいがい)化し、政府を持ち上げる「太鼓たたき」となっていると指摘したからだ。

 民主党が姿勢を転じたのは、質問見送りに「立法府の自殺行為」との批判が強まったためとみられるが、海江田氏が「君主は大いに豹変(ひょうへん)してもらって結構」などと、マニフェスト政策の変更を促したことには違和感を覚える。

 「国民との契約」の実現が難しくなったとき、政府を叱咤(しった)激励し、実現を後押しすることが、与党議員の役割ではないのか。

 

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