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11月2日付 編集手帳

 「論語」に五・七・五・七・七、短歌の調べをもつ一節がある。〈司馬牛が 憂えていわく 人は皆 兄弟あれど われひとり亡し〉◆岩波書店刊「一月一話」によれば江戸の知識人は、この文を例証にして和歌の起源は中国だとするジョークを交わしたというが、少子化問題のポスターにでも使えそうな名調子ではある◆「君子には世の人すべてが兄弟だ」と司馬牛は慰められたが、誰もが君子になれるわけでもない。一人っ子で育った人のなかには、“お兄ちゃん”になるコボちゃんの浮き立つ心に深くうなずいてる方も多かろう◆本紙の朝刊4こま漫画「コボちゃん」(植田まさし作)で母親・早苗さん(ママ)の妊娠が分かって、半月ほどになる。ナントカ手当も大切だが、人はそろばんずくで子供を産まない。ひとつの新聞の、そのまた片隅の、架空世界での慶事とはいえ、家族の増える喜びを伝えるひとコマ、ひとコマは、これもささやかな子育て支援に違いない◆どこかの屋根の下でコボちゃんの表情に見入っては、「うちもそろそろ、もうひとり…」と思案しているお父さん、お母さんもいるだろう。

2009年11月2日01時06分  読売新聞)
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