HTTP/1.1 200 OK Date: Sat, 31 Oct 2009 22:16:50 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:行政刷新会議 無駄排除 衆知集めて:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

行政刷新会議 無駄排除 衆知集めて

2009年10月31日

 政府の行政刷新会議が、二〇一〇年度予算編成に向けて不要不急の事業を洗い出す「事業仕分け」作業を再開した。限られた予算を効率的に使うため、衆知を集めて徹底的に無駄を排除してほしい。

 事業仕分けは、刷新会議の加藤秀樹事務局長が代表のシンクタンク「構想日本」が地方自治体の事業見直しに用いてきた手法。国政レベルでも自民党が政権当時、党の「無駄遣い撲滅プロジェクトチーム」で文部科学省事業の「政策棚卸し」に活用した実績がある。

 今回の仕分けは、民主党国会議員七人と民間有識者約二十人が三班に分かれ、国の約三千事業のうち二百程度について、公開の場で「不要」「継続」「民間へ」などに仕分けし、予算案に反映する。

 年末に予定される予算編成まで時間は限られる。精力的に作業を進めるべきだ。

 ただ、仕分けに参加する予定だった新人の衆院議員十四人が、小沢一郎民主党幹事長の強い意向で外されたことは適切ではない。

 新人議員には選挙区活動を優先するよう指導していることに加え、経験不足というのが理由だが、新人とはいえ、有権者に選ばれた社会経験豊富な国会議員だ。

 しがらみのない方が、惰性で続いてきた事業を見抜けるかもしれない。国民に近い視点や平衡感覚を、活用すべきではなかったか。

 仕分けに参加する議員が三十二人から減り、議員一人当たりの作業量は増える。仕分け作業に遅れや漏れが出ないかも心配だ。

 人選見直しで作業が約一週間止まった。小沢氏と仙谷由人担当相との間で連絡不行き届きがあったようだ。長年の確執があるかもしれないが、政府・与党一体と言う以上、連絡を密にすべきだった。

 九十五兆円超に膨らんだ一〇年度予算の概算要求をどこまで削るのかも明確でない。

 仙谷氏は九十二兆円程度に圧縮したい考えを示したが、藤井裕久財務相はさらに切り込み、九十兆円以下が望ましいと明言した。

 政府としての目標が定まっていないのも、マニフェストで「政治主導で予算の骨格を策定する」とされていた「国家戦略局」の設置が来年の通常国会以降に先送りされ、機能していないためだ。

 戦略局は刷新会議とともに政治主導の両輪だったはず。現在は「戦略室」にとどまっているが、菅直人副総理兼国家戦略担当相のリーダーシップで、具体的な予算編成方針を早急に決めるべきだ。

 

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