HTTP/1.1 200 OK Date: Sat, 31 Oct 2009 03:17:46 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:今から思えば奇妙な感じさえする。まだ数カ月前には、感染の疑…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2009年10月31日

 今から思えば奇妙な感じさえする。まだ数カ月前には、感染の疑いのある人を空港近くのホテルに“隔離”したりして、新型インフルエンザを水際で食い止める、と躍起になっていた▼今はもう、内の内まで入り込み、日常の一部ともいえる蔓延(まんえん)ぶりである。国立感染症研究所による今月十九日から一週間のインフルエンザ推計患者数は百十四万人に達し、初めて百万人を突破した。ほとんどが新型らしい▼さて、この新型インフルエンザなる呼び方、九文字もあって長い。だから新聞などは「新型インフル」と略すことが多いが、カタカナ語を妙なところで切るのはどうも落ち着きがよくない▼最近、中国を旅した時、新型インフルエンザの感染防止啓発の看板などに「甲型流感」とあって、懐かしかった。「甲型」の方は、新型もA型の一つゆえ甲乙丙丁の最初の字を当てたかと、あて推量だが、「流感」の方はなじみ深い言葉だ▼なぜか、皆目使われなくなったが、以前はわが国でもインフルエンザを流行性感冒、略して流感と普通に呼んでいた。辞書には今でも載っている。ほかにないならまだしも、ちゃんと日本語があるのだから「新型流感」と呼ぶ手はないものだろうか▼中国の流感はもしや日本語の輸入かとも推測するが、さらに略して、「甲流(ジャアリョ)」という言い方もするようだ。その伝で、いっそ「新流」でもいい。

 

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