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社説2 与野党が政策競う国会に(10/29)

 政権交代後初めての与野党論戦が国会でようやく始まった。鳩山由紀夫首相の所信表明演説への各党代表質問の初日は、自民党の谷垣禎一総裁らが質問に立った。日本が直面する経済や財政、外交などの課題をめぐって具体策を競い合う実のある論戦を期待したい。

 1番手で質問した谷垣氏はまず自民党の衆院選大敗への反省に言及し「国民にとって最良の選択肢を示すことによって期待に応えていく」と決意を語った。鳩山内閣の重点政策に関しては「随所に無理があり、日本の将来を託すことは非常に危険だ」として対決姿勢を鮮明にした。

 谷垣氏が民主党政権との対立軸として強調したのは、自助努力に関する考え方の違いだ。子ども手当などを念頭に「各家庭にまんべんなく巨額の支給をし、いきなり公助ありきの社会をつくろうとしている」と指摘し、高福祉・低負担では日本は存続できないと批判した。

 国民の所得を上げ、雇用を増やす経済成長戦略や財政健全化への視点が欠けているとの指摘には説得力があった。ただ首相は自民党は公共事業偏重の国造りを続けたとし、「人間のための経済を目指す。産業を転換して新しい雇用、成長を生み出す」と真っ向から反論した。

 谷垣氏は沖縄県の米軍普天間基地の移転問題やインド洋での給油活動停止にも時間を割き、「日米同盟の弱体化につながりかねない」と懸念を示した。首相は「真剣かつ慎重に検討していく」と強調したが、代案がないまま結論を先送りするような手法は外交上避けるべきだ。

 谷垣氏や公明党の井上義久幹事長は、首相の資金管理団体の虚偽記載問題について自ら説明するよう迫った。しかし首相は「捜査に協力している。全容が解明されることを祈念している」と繰り返した。

 同問題は判明した約2177万円にのぼる架空献金のほか、氏名の記載義務がない小口献金が突出して多いなどの疑問点がある。政治不信を増幅しかねず、首相は改めて説明責任を果たす必要がある。

 今国会は民主党の政権担当能力が一つの焦点となる。与野党ともに活発な政策論争を通じ、有権者の期待に応えてほしい。

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