これも時代の流れだろうか。87年の伝統を持つ小学館の学年別学習誌「小学五年生」「六年生」が休刊することになった。今や小さな読者もゲームにアニメにスポーツにと興味は様々。昔ながらの中身がニーズに合わなくなったという。
▼たしかに子どもだってやりたいことは色々とある。おとなしく勉強ばかりでは「つまんなーい」のだろう。ところが政界の小学生となるとそうもいかないらしい。行政刷新会議のもとで不要不急の予算を削る「事業仕分け人」チームに民主党の新人議員が14人も入っていると知り、校長先生が「待った」をかけた。
▼新人はイロハを学ぶ研修が最優先、というのが剛腕幹事長が束ねる「小沢小学校」の校則だ。分からないでもないが、その気になっていた新人はどんな気持ちだろう。根回しも不十分なままにメンバーを決めたから小沢さんが機嫌を損ねた、ともいわれている。「二重権力」などという言葉が浮かんで外聞も悪い。
▼「事業の仕分け」そのものは政治主導で無駄に切り込む試みだから大いに期待したいのに、こんなゴタゴタが起きると先が心配だ。それにしてもこの校長先生、子どもを鋳型にはめすぎのきらいがある。いつまでも素直な小学生でもなかろう。ニーズをくみ取ってもらえないとなれば心は離れていくかもしれない。