HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Mon, 26 Oct 2009 21:16:56 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:参院補選2勝 民主への期待裏切るな:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

参院補選2勝 民主への期待裏切るな

2009年10月26日

 参院神奈川・静岡両補選は民主党がともに勝利した。先の衆院選で圧勝、政権交代を果たした流れを継ぐもので、鳩山内閣は国民の期待を裏切らぬよう、緊張感を持って政権運営に当たるべきだ。

 今回の補選は、鳩山内閣、自民党新執行部発足後初の国政選挙で、勝敗は、来年夏の参院選で民主党が単独過半数を確保できるか、自民党が政権奪還の足場を作れるかを大きく左右する。盛り上がりに欠けたとはいえ、鳩山由紀夫首相、谷垣禎一総裁双方にとって負けられない戦いだった。

 報道各社の世論調査によると、鳩山内閣の支持率は60〜70%台と高水準を保つ。補選での民主党二勝は、鳩山内閣への国民の期待が依然高い状況を反映したものだ。

 民主党は、こうした国民の期待に応え、きょうから始まる臨時国会を、マニフェストに掲げた政策実行の第一歩にしてほしい。

 ただ、鳩山首相の政権運営には気になる点も見え始めている。

 その一つが、民主党政権の目玉とされてきた国家戦略局の役割が依然、見えてこないことだ。

 二〇一〇年度予算の概算要求総額は一般会計で過去最高の九十五兆円超に膨らんだ。仙谷由人担当相率いる行政刷新会議で「事業仕分け」の作業に入ったが、その際、どのように要・不要を判断するのか基準が明確ではない。

 本来なら、戦略局が中長期的目標を示し、それを指針として優先順位をつけることが望ましい。司令塔を欠いたままでは予算要求を厳しく刈り込めないだろう。

 国民は、惰性で続いてきた不要不急の事業を政治主導で切り込み、浮いた予算をマニフェストで掲げた政策実現のために回すことを期待している。戦略局が機能しないままでは期待外れに終わる。

 日本郵政の次期社長に斎藤次郎氏を起用したことも気になる。

 元大蔵官僚である斎藤氏の起用は、退官後十五年近くたつとはいえ、民主党が掲げ、国民が支持した「脱官僚主導」「天下り根絶」の原則に反するのではないか。亀井静香郵政改革担当相が民主党の方針を理解していないとしたら、任命権者の首相の責任だ。

 鳩山首相は臨時国会での論戦を通じ、こうした国民の気になる点の解消に努めてほしい。

 民主党の参院会派は補選二勝で、過半数まであと一議席と足場固めが進んだ。「数の力」におごることなく、丁寧な国会運営に努めることは言うまでもない。

 

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