HTTP/1.1 200 OK Date: Mon, 26 Oct 2009 23:17:50 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:激しい雨が降る東京・日比谷公園に六千六百十五人が傍聴券を求…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2009年10月27日

 激しい雨が降る東京・日比谷公園に六千六百十五人が傍聴券を求めて長蛇の列をつくった。最後尾に並ぶと、冷たい雨がズボンや靴にぐっしょりと染み込んだ▼東京地裁で開かれた女優酒井法子被告(38)の初公判の傍聴希望者は、オウム真理教元代表の麻原彰晃死刑囚の初公判には及ばなかったものの、抽選倍率は三百三十倍で過去最高。民放各局は特番を組み、法廷の動きを詳細に報じた▼この裁判で注目度が少し下がった感は否めないが、鳩山由紀夫首相の初めての所信表明演説は、政権交代を成し遂げた勢いを感じさせた。「戦後行政の大掃除」「無血の平成維新」などと力を込めると、衆院本会議場は大拍手に包まれた▼論戦の舞台となる臨時国会の会期は三十六日間と短い。二〇一〇年度の予算編成に時間を割かれることもあるが、野党側から鳩山首相の「故人献金」問題を追及されるのを避けたいという思惑もあるらしい▼最初からそんな逃げ腰で厳しい論戦を乗り切れるのだろうか。東京地検特捜部は、首相の元公設第一秘書への事情聴取に踏み切るなど捜査はいよいよ核心に迫りつつある▼首相は所信表明で「政治への不信を持たれ、国民にご迷惑をおかけした」と謝罪した。国民の期待に応えるのは、論戦の中で丁寧に説明することではないか。前政権のように「捜査中」という言葉で逃げてほしくない。

 

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