HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 57828 Content-Type: text/html ETag: "15e043-15d7-e7ac6800" Expires: Sat, 24 Oct 2009 21:21:10 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 24 Oct 2009 21:21:10 GMT Connection: close モーターショー エコが握る自動車産業の未来 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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モーターショー エコが握る自動車産業の未来(10月25日付・読売社説)

 2年に1度の自動車業界の祭典、東京モーターショーが開幕した。

 舞台の中央でスポットライトを浴びているのはどれもエコカーだ。クルマの主役交代を象徴する光景といえよう。

 世界的な自動車不況の影響で、海外の主要メーカーが参加を見送った。だが、日本メーカーは最先端の環境技術を駆使した最新モデルや試作車を出品している。

 自動車産業は「脱ガソリン」という100年に1度の変革のさなかにある。勢ぞろいしたエコカーが、次世代の日本の自動車産業を担うといっても過言ではない。

 各社がショーの目玉に据えているのは、モーターとガソリンエンジンを併用するハイブリッド車(HV)と、電気モーターだけで走る電気自動車(EV)だ。

 トヨタ自動車はコンセントから充電できるプラグイン・ハイブリッド車を出した。日産自動車は来年発売する新型EVのほか、2人乗りEVの試作車も披露した。

 HVもEVも、電気を主な動力源とする点は同じだ。すでにトヨタやホンダのHVが新車販売の上位を占め、三菱自動車や富士重工業は法人向けにEVを市販している。エコカー競争はクルマの「電化」を競う形で進みそうだ。

 そうなると、精密で複雑なガソリンエンジンがなくても、高性能の蓄電池さえあれば、いいクルマが作れるようになる。

 米国では、3大自動車メーカーの不振をよそに、EVを製造するベンチャー企業が数多く登場している。日本の自動車産業も、系列部品メーカーの再編や異業種との連携といった経営戦略の見直しが必要だろう。

 マツダとダイハツは、ガソリン1リットルで30キロ以上走る超低燃費車を出展した。停止時にエンジンを止めたり、車体をあえて小さくしたりして、ハイブリッド車並みの燃費を実現している。

 エコカーが普及期に入っても、当分はガソリン車の時代が続く。これまで培ってきた低燃費技術の底上げも忘れないでほしい。

 海外勢がショーへの参加を見送った背景には、日本の自動車市場の縮小がある。昨年の国内新車販売台数は508万台と、ピーク時より200万台以上減った。

 「環境に優しい」だけでは、クルマ離れに歯止めはかかるまい。ショーの中で、各社は居住性や安全性、高齢者への配慮などでもさまざまな提案をしている。さらに進化した「人にも優しい」クルマの実用化を急ぐべきだろう。

2009年10月25日01時33分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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