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10月24日付 編集手帳

 漢字と仮名の使い分けには神経を使う。「臭い臭い」を「くさいにおい」と読んではもらえまいから、「におい」は仮名で書くことが多い◆「こども」「子ども」「子供」…新聞ではどれも用いるが、国民の祝日〈こどもの日〉を除き、小欄はもっぱら「子供」と表記してきた。しばし考え込むのは政府の打ち出した〈子ども手当〉を取り上げるときである◆「子ども」派には「供」の字から「お供」を連想し、大人の付属物とみなす差別意識を嫌う人も多いという。英文学者、柳瀬尚紀さんの著書に共感する一節があったので引く◆〈(差別だとは)…お笑いです。「子ども」では「ガキども」「野郎ども」「男ども」「女ども」を連想して、かえって子供に申し訳ない。ぼくはずっと「子供」で通しています〉(新潮社「日本語は天才である」)◆今年も「文字・活字文化の日」(10月27日)がめぐってくる。人の感性はいろいろで、表記をそろえる必要もない。悩むのも、考えるのも、多様で豊かな言語なればこそだろう。小欄は頑固な「子供」派でありつつ、“手当”に触れるときはそのつど悩むことにする。

2009年10月24日01時29分  読売新聞)
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