
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 58585 Content-Type: text/html ETag: "add34-15f0-e8ab9a40" Expires: Thu, 22 Oct 2009 22:21:10 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 22 Oct 2009 22:21:10 GMT Connection: close
![]() 足利事件再審 冤罪の再発防止につなげよ(10月23日付・読売社説) 裁判長は「被告人」ではなく「菅家さん」と呼びかけた。 足利事件で無期懲役が確定し、17年半ぶりに釈放された菅家利和さんの再審が宇都宮地裁で始まった。初公判の冒頭陳述で検察側は「菅家さんは犯人ではないと考えている」と述べた。 検察は、今回のように死刑か無期懲役が確定した事件の再審では、あくまでも争う姿勢をみせてきた。だが、今回は争うすべのない状況に追い込まれた。立証がずさんだったことの証左である。 なぜ冤罪を引き起こしたのか。菅家さん側は、再審をその検証の場とするよう求めている。 一方、検察側は「再審の目的は早期に無罪判決を出し、菅家さんの自由と名誉を回復すること」として、早期終結を図っている。無論、それが再審の一義的な目的であることには違いない。 ただ、地裁には、無期懲役の判決が誤判であったことを裏付ける証拠を可能な限り精査したうえで、無罪を言い渡す姿勢が求められる。それが冤罪の検証、ひいては再発防止につながる。 捜査の誤りを見過ごした裁判所にも、冤罪の重い責任があることを忘れてはならない。 地裁は、DNA型の再鑑定を実施した専門家の証人尋問を決めた。再鑑定は再審開始のきっかけとなったものであり、適切な対応といえよう。菅家さんを犯人とする決め手となった当初のDNA鑑定の検証につなげてほしい。 もう一つのポイントは、菅家さんの「自白」の検証だ。それに欠かせないのは、検察官が菅家さんを取り調べた際の録音テープである。当時の取り調べの問題点を洗い出す重要な証拠といえよう。 地裁は、証拠としての採否を判断するため、検察側にテープの提出を命じた。今後、速やかに証拠採用すべきだ。 再審とは別に、栃木県警と最高検が、それぞれ検証作業を進めている。身内意識を排除した厳格な調査を行い、その結果を公表する必要がある。 検証が必要なのは報道機関も例外ではない。読売新聞は6月27日朝刊で「DNA一致発表疑わず」とする当時の紙面の検証記事を掲載した。その中で、「導入されたばかりのDNA鑑定への過大評価があった」と総括した。 容疑者や被告が真犯人であるとの予断を読者に与える報道は、足利事件を教訓に、今後とも戒めていかねばならない。 (2009年10月23日03時02分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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