HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 58658 Content-Type: text/html ETag: "ff508-1639-e8ab9a40" Expires: Thu, 22 Oct 2009 22:21:05 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 22 Oct 2009 22:21:05 GMT Connection: close 行政刷新会議 事業仕分けでどう無駄を削る : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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行政刷新会議 事業仕分けでどう無駄を削る(10月23日付・読売社説)

 「税金の無駄遣いの根絶」を目指す鳩山内閣の目玉組織が、ようやく始動した。どこまで各府省の既得権益に切り込めるか。その成否が鳩山内閣の評価に直結しよう。

 政府の行政刷新会議が初会合を開き、当面、95兆円超にも上った来年度予算の概算要求の削り込みに取り組む方針を確認した。国会議員らによる3作業グループが200以上の事業を精査し、年末の予算編成に反映させる。

 民主党は、子ども手当、高速道路無料化などの新規政策に必要な財源の主要部分を、従来の予算の組み替えで(ねん)(しゅつ)するとしている。この作業の中核を担うのが行政刷新会議である。

 予算の精査は、「事業仕分け」という手法で行われる。予算要求された個別事業が必要か否か。実施主体は国か、地方自治体か、それとも民間か。より効率的な改善策はないか。こうした視点でそれぞれ判定していく。

 無駄の排除には国民の関心も高い。政権交代を機に、従来と違う手法で、不要不急の予算をあぶり出す試みは悪くない。

 仙谷行政刷新相は3兆円以上の削減を図る考えを示した。具体的な成果につなげてもらいたい。

 ただ、課題も少なくない。

 行政刷新会議は9月中の発足を予定していたが、大幅に遅れた。事務局も各府省からの「寄せ集め」で、人員も十分でない。財務官僚が要職を占め、「主計局支配」が強まった、とも指摘される。

 事業仕分けは既に、一部の自治体で実施され、一定の成果を上げている。だが、短期間の作業日程の中、はるかに複雑な政府予算にどこまで通用するか。

 作業は公開で行われる。予算編成過程を透明化する狙いは理解できるが、官僚をたたき、「政治主導」を演出するパフォーマンスに陥らないようにしてほしい。

 豊富な知識と専門性が求められる作業チームの大半が、当選1回の若手議員なのも気がかりだ。

 行政刷新会議は予算編成後に、政府や独立行政法人などのより包括的な事業仕分けを実施する。国と地方の役割の再検討や、二重行政の是正に取り組むものだ。

 官僚OBがいる公益法人に手厚く予算配分する、もたれ合いの構造を改革するには、公益法人のあり方や、公務員の早期勧奨退職の慣行など人事システムの見直しが欠かせない。

 政府は、行政刷新会議が取り組む課題の工程表を早期に作成し、改革の全体像を示すべきだ。

2009年10月23日03時02分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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