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10月22日付 よみうり寸評

 4年間、自宅での〈老老介護〉の末だった。でも、明治座で公演中の夫は妻の最期をみとれなかった◆「年齢も年齢なので予測はしていたけれど、このわびしさ、この悲しさ」と夫、長門裕之さん。万感の思いに涙があふれた。俳優同士のおしどり夫婦といわれた妻、南田洋子さんが逝った◆葬儀も公演が終わるまで「6、7日待ってもらう。妻は寒がりだったのに氷漬けにしなければ」と夫。互いに役者の因果のようなものだろうか。妻の死に顔はきれいだったと聞く。夫の献身的な介護があればこそと推察する◆南田さんは1951年に大映入社。同期の若尾文子さんと共演の「十代の性典」、長門さんとの「太陽の季節」……に若かった〈昭和の青春〉を思う◆61年に結婚。さまざまな日々が過ぎ、48年の歳月が流れた。夫の浮気、事業の失敗……。妻が義父を14年間介護した時期もあった。その妻が認知症に◆夫はきょうが公演最後の休演日、遠い青春からこの秋まで夫婦で歩んだ歳月をしみじみたどっているだろう。

2009年10月22日14時07分  読売新聞)
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