HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Sat, 17 Oct 2009 23:17:55 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:羽田のハブ化 しがらみを断ち切る時:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

羽田のハブ化 しがらみを断ち切る時

2009年10月17日

 羽田空港の国際ハブ(拠点)化論議は当面、成田空港との「一体運用」で落着した。だが羽田の国際線増強が進めば従来の内際分離は崩壊する。成田を重視しつつ羽田の国際化を推進すべきだ。

 現在でも成田空港は日本の玄関である。だが世界のハブ空港と比べると夜十一時から翌朝午前六時までは離着陸できない致命的な欠陥がある。歴代政権は過去の重たい経緯から「国際線は成田、国内線は羽田が中心」との方針を継続してきた。

 前原誠司国土交通相は今週初め、来年十月に羽田に四本目の滑走路が完成するのを機に「羽田の二十四時間国際空港化を目指したい」と表明した。この発言に地元関係者は猛反発したため「国際線は成田中心」で落ち着いた。

 だが国交相は羽田のハブ化を撤回してはいない。成田に配慮しつつ徐々に政策転換する姿勢だ。その方向性に間違いはないだろう。

 羽田の国際化推進は、私たちも以前から主張してきた。

 成田はいわば“遠高狭”である。都心から約六十キロ離れ着陸料も高い。滑走路は二本目がやっと二千五百メートルに延伸され今月二十二日から供用開始となるが、それでも空港能力は低水準のままだ。

 これに対して羽田は都心から十数キロと利用者利便は極めて良い。海外観光客や国際会議開催に有利で、政府の外国人旅行客二千万人目標の達成にも弾みがつく。韓国・仁川空港などに取られている地方旅客需要も取り戻せよう。

 この際、政府は航空政策を抜本的に改革すべきだ。中部、関西を含めた拠点空港の競争力強化と地方空港の支援が課題である。

 成田は都心や羽田とのアクセス改善を急がねばならない。京成電鉄は来春から成田−日暮里間を三十六分で結ぶ新高速列車を運行するが、その先の都心から羽田までの移動時間短縮が急務だ。

 中部空港は昨年来のトヨタショックから抜け出せず苦しい経営が続いている。景気回復が不可欠だが自治体など関係者は知恵を絞って需要開拓に努めてほしい。

 関西空港は大阪、神戸との三空港問題の解決が欠かせない。大阪を閉鎖するなど大胆に改革する。社会資本整備特別会計空港整備勘定(旧空港整備特会)の廃止にも取り組むべきだ。

 整備新幹線が数年内に開業し高速道路網も整備が進む。海上輸送を含めた交通体系のなかで航空をどう位置付けるのか。総合交通政策の再構築も待ったなしだ。

 

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