HTTP/1.0 200 OK Age: 197 Accept-Ranges: bytes Date: Sun, 18 Oct 2009 00:17:53 GMT Content-Length: 7631 Content-Type: text/html Connection: keep-alive Proxy-Connection: keep-alive Server: Zeus/4.2 Last-Modified: Sat, 17 Oct 2009 14:36:21 GMT NIKKEI NET(日経ネット):社説・春秋−日本経済新聞の社説、1面コラムの春秋

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NIKKEI NET

春秋(10/18)

 「いい会社をつくりましょう」。そんな社是を掲げた食品会社が長野県の伊那食品工業だ。企業は会社を構成する人々の幸せのためにあるべきだとの趣旨。リストラなし、成果主義なしの終身雇用。午前と午後にはお茶の時間もある。

▼ただ居心地がいい、というわけではない。「最も根本的な経営効率化策は社員のモラール(やる気)の向上」だからだと創業者は本紙の取材に答える。食べられるフィルムを寒天で作った。そのまま溶かせるのでインスタント食品の調味料袋に使われた。こうした工夫の積み重ねで、寒天の国内シェアはトップだ。

▼職場にも感情があり、良い組織は良い職場感情を持つ。経営コンサルタントの高橋克徳氏は近著「職場は感情で変わる」で実例を挙げ説く。イキイキ、あたたか、ギスギス、冷え冷え。4タイプのうち前の2つの併用が望ましく、冒頭の食品会社が好例という。後の2つの感情に職場が包まれれば、組織は危ない。

▼起業直後には高揚感あるイキイキ職場が望ましい。成熟期はあたたかが過ぎてぬるま湯にならないよう要注意。問題は壁にぶつかる転換期の企業だ。リストラにおびえ疑心が広がる。ギスギス・冷え冷え職場の典型だ。突破口は皆が変革への参加意識を共有すること。カギは上司や仲間への信頼だと高橋氏はいう。

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