
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 59732 Content-Type: text/html ETag: "ff4c4-1d03-a5050800" Expires: Fri, 16 Oct 2009 21:21:05 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 16 Oct 2009 21:21:05 GMT Connection: close
![]() 概算要求再提出 財源の手当て欠く水膨れ予算(10月17日付・読売社説)要求は大きく膨らむ一方で財源不足は深刻だ。これでは、財政赤字が拡大するばかりである。 各府省が来年度予算の概算要求を再提出した。麻生内閣末期の8月末にいったん提出されたが、鳩山首相が出し直しを指示していた。 ◆歯止めきかず95兆円に◆ 要求額は95兆円と、今年度当初予算を6・5兆円上回って、過去最大となった。 概算要求が膨らんだのは、従来の要求基準(シーリング)をなくし、衆院選の政権公約(マニフェスト)で掲げた政策の実現を目指して費用を盛り込んだためだ。 子ども手当の半額支給(2・3兆円)や高校授業料の実質無償化(4500億円)、高速道路の一部無料化(6000億円)など、ずらりと並んでいる。 鳩山内閣は、これら施策について「最優先で実行する」としている。だが、あまりに費用がかかり過ぎるといった批判は根強い。 所得制限をつけず、高額な子ども手当を一律に支給すべきなのか。高速道路の無料化は、激しい渋滞を引き起こし地球温暖化対策にも逆行しないか――。こんな指摘が聞こえてくる。 政権公約にあるからといって、国民的合意を得ないまま強行するのは行き過ぎだ。鳩山首相は公約の撤回や先送りも含め、今後の予算編成に臨むべきである。 政権公約に関連しない要求を圧縮できなかったことも、概算要求が増えた要因だ。藤井財務相は、従来型の施策については減額を求めていたが、公共事業などを除いて守られなかった。 各府省の要求には、現時点では金額を明記せず、年末までに示す「事項要求」が多く含まれている。地方交付税の増額に関する総務省の要求などで、後々予算を膨らませることは必至だ。 行政刷新会議と財務省は、厳しく査定しなければならない。 多すぎる予算の削減と並んで難題なのは財源の確保である。 今年度予算では46兆円の税収を見込んだが、景気低迷で、5〜6兆円の減収になりそうだ。来年度はさらに落ち込み、40兆円を割り込むとの見方もある。 ◆積み上がる国債発行額◆ そうなると国債に依存せざるを得なくなる。今年度の場合、当初予算で33兆円だった発行額は、補正後、44兆円に膨れあがった。 ところが、来年度はこれで済みそうにない。仮に税収が40兆円にとどまり、概算要求通り歳出が95兆円になったとすると、一定の税外収入などを見込んでも、国債の発行額は40兆円台後半になる可能性が高い。 鳩山首相は財政規律を守り、国債発行を抑制するとしていたが、極めて困難な情勢だ。財源確保を後回しにしたツケといえる。 国債発行額がこれ以上増えるとどんなことが起きるか。国債の信用が揺らぎ、市場で売り込まれて金利が上昇する恐れがある。 その結果利払いが増え、ただでさえ苦しい財政は、さらに悪化しよう。そうした事態を避けるためにも財源の確保が肝要だ。 ◆安定財源確保に努めよ◆ 今年度の補正予算の一部を執行停止にするという試みは、2・9兆円で決着した。無駄にメスを入れ、来年度の財源にするという狙い自体は理解できる。 しかし、ここに来て、雇用対策を中心に、第2次補正予算を年度内に編成すべきだとの声が高まってきた。その場合、2・9兆円はその財源に回すという。 そうなると、来年度予算には使えない。鳩山内閣は新たな財源探しを迫られる。 今後、鳩山内閣は、来年度ばかりでなく、中長期的な安定財源の確保に努めなければなるまい。 まず、政権公約で打ち出したガソリン税などの暫定税率の廃止は撤回すべきだ。国と地方を合わせ、年2・5兆円に及ぶ確実な税収を手放す手はない。 安定財源といえば、何と言っても消費税である。増え続ける社会保障費を賄うには、国民が広く負担する消費税率の引き上げしかないことは明らかだ。 景気の低迷で、今すぐ引き上げる環境にはないが、景気回復後にすぐ引き上げられるよう、今から議論しておく必要がある。 予算編成や経済財政運営の基本方針を示すべき国家戦略室の影が薄い。菅国家戦略相は、新たな財政再建の目標は当面作成しないとの考え方を示した。 これはおかしい。概算要求の膨張も、財政再建の方針を明示していないことが一因といえる。 麻生内閣は、2020年代初めに国と地方の債務残高を、国内総生産(GDP)比で引き下げるとの目標を立てていた。 国家戦略室主導で新しい目標を作るなど、国民に財政再建の方向を示すのが政治の責任だ。 (2009年10月17日01時10分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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