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社説2 外資系も法令順守の徹底を(10/17)

 証券取引等監視委員会が金融庁に仏系大手金融、BNPパリバ証券の行政処分を勧告した。ソフトバンク株の相場操縦や、経営破綻した不動産会社アーバンコーポレイション株の取引に関する虚偽報告が理由だ。株式市場の信頼を損なう行為であり、一定期間の業務停止も視野に厳しい対処を望みたい。

 パリバは取引の意思がないのに不自然に高いソフトバンク株の買い注文を出し、相場をかく乱させようとした。「見せ玉」と呼ばれる架空の買い注文を思わせる。

 金融庁はすでにアーバン関連でパリバに業務改善命令を出している。アーバンの増資を引き受ける際に資金をパリバに還流させる契約を結び、この契約を開示しないようアーバン側に働きかけたからだ。パリバは不透明な増資に絡み利益を得ようとしたとみられるが、金融庁に事実関係を正しく報告していなかった。それが虚偽報告と見なされた。

 これだけ次から次へと不正が明らかになると、日本拠点だけの形式的な対応で経営体質が本当に改まるのかと首をかしげたくなる。

 パリバに限らず外資系金融機関の日本拠点には、本社の厳しい監督が必ずしも行き届いていないところがある。決算操作に利用できる金融商品を日本で販売し、検査忌避で免許を取り消されたクレディ・スイス・フィナンシャル・プロダクツ。資金洗浄の対策を怠り業務停止となったシティバンク銀行。一連の不正からは、東京市場での法令順守をないがしろにする姿勢が読み取れる。

 欧州では一流で通るパリバ。日本拠点のトップの責任は免れないが、本社経営陣にも問いたい。日本市場で信頼を得て長期的に業務を広げていく意思があるのか、と。

 短期的な利益ばかりを重視する金融機関の経営手法は、金融危機を招いた一因として世界的に見直しを迫られている。日本市場がその例外であってはならない。

 もちろん、決算などのお化粧のために、外資系金融機関に頼ろうとする企業や金融機関が日本側に少なくないのも、遺憾ながら事実である。市場の浄化は、日本の株式市場が海外から侮られないための緊急の課題である。

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