HTTP/1.1 200 OK Date: Thu, 15 Oct 2009 01:17:16 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:先の台風18号の時、和歌山県で、暴風が倒した木にバイクで衝…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2009年10月15日

 先の台風18号の時、和歌山県で、暴風が倒した木にバイクで衝突して亡くなった男性は、新聞配達の途中だった▼日本新聞協会販売委員会編の『ふれあいの詩』は新聞配達に関するエッセーコンテストの入選作品集。読む人と届ける人の思いに触れ、新聞界の末席にある者として、一読、胸が熱くなった▼千葉県の七十歳の男性は、居酒屋で知り合った夫妻が、盛り上がっていても常に決まった時間に引き揚げていくのを不思議に思っていた。仲良くなって初めて、二人が新聞販売店のスタッフだったことを知る▼やがて夫は引退、病を得て亡くなる。告別式で曲が流れた。♪酒は飲め、飲め、飲むならば…。妻が、天国では好きなお酒を心ゆくまで飲んで、という夫への思いを込めた『黒田節』だった。<参列した私たち居酒屋の仲間は皆、泣いた>。そう男性はつづる▼原稿だけあったって新聞ではない。中身がチェックされ、写真や図、見出しが入ってレイアウトされ、刷版が作られ、印刷され、輸送され…。そして、台風の犠牲になった男性やこの夫妻のような人々がいてやっと読者に届く。そこで初めて新聞になる▼別の入選作で、七歳の女の子がこう書いてくれている。<はいたつする人は…しん聞を作るのにがんばった人たちのリレーのアンカーみたいです>。今日から新聞週間。この日曜は「新聞配達の日」。

 

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