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10月13日付 よみうり寸評

 遊びをせんとや生まれけむ、戯れせんとや生まれけん遊ぶ子供の声聞けば、我が身さへこそ(ゆる)がるれ◆平安後期の世俗歌謡などを集めた〈梁塵秘抄〉の名歌の一つ。喜々としてはしゃぐ子供の声を聞くと自分の心もわくわくする。自分も遊び戯れをするために生まれてきたのだろうか。そんな大人の感懐を歌ったものだ◆きのうの本紙朝刊の気流欄に子育ての環境について〈「禁止」ばかり どこで遊べば〉という東京の主婦・竹下祐子さんの投稿があった。これを読んで〈遊びをせんとや…〉を思い浮かべた◆竹下さんの住むマンションの広い中庭は子供たちの遊びが禁止されている。1階の住人や日中に睡眠を取る人の迷惑にならないようにという理由らしい◆ほかに公園の噴水で遊ぶ子供の騒音がうるさいとして禁じられた例もあげ、生後5か月の子供を持つ竹下さんは禁じられた子供の遊び場に不安を訴えている◆子供の環境は平安の昔とは大違いだが、〈遊びをせんとや…〉の優しいまなざしを大人は失いたくない。

2009年10月13日14時11分  読売新聞)
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