宣伝めいて恐縮だが、朝日、読売、日経3社が共同でつくる「あらたにす」というサイトがある。15人の「新聞案内人」たちのコラムの新鮮な切り口が楽しい。政治、経済だけでなく、スポーツ、文化など多様なテーマで様々な論がある。
▼今月、ふたりの新聞案内人が似た趣旨のコラムを書いている。「新聞こそ『対米追随』ではないのか」(桐村英一郎)、「あとになってわかってきた『革命』」(歌田明弘)だ。コラムニストの歌田さんは「選挙後、驚いたのは、新聞がこぞって『マニフェストを守るな』という声を上げ始めたことだ」と書いた。
▼朝日新聞元論説副主幹の桐村さんも「政権交代は『チェンジ』『変化』である。(中略)対米政策だけ『そのまま引き継げ』というのはおかしくないか」と書く。ともに一例として対米政策での「君子豹変(ひょうへん)」を求めた小紙の社説をあげる。指摘された2本の社説と民主党のマニフェスト(政権公約)を読み返した。
▼社説には「マニフェストには『緊密で対等な日米関係を築く』とある。『緊密』や『対等』の中身は明確ではなかった」とあった。求めたのはマニフェストではなく野党時代の態度からの豹変だった。インド洋の給油中止はマニフェストにはなかった。が、岡田克也外相は7時間の視察を終えるや中断を示唆した。