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10月8日付 よみうり寸評

 講談社学術文庫のシンボルマークはトキを図案化したものだ。この文庫のしおりを使って知った◆そのしおりによると、トキは長いくちばしで勤勉に水中の虫や魚を(あさ)るので、その連想から古代エジプトでは、勤勉努力の成果である知識・学問・知恵・記録などの象徴とされていたという◆確かトキの学名はニッポニア・ニッポンだが、エジプトとの関係は?と思って、トキの英語名アイビスを英和辞典で引くと、古代エジプトの霊鳥と出ていた。ニッポニア・ニッポンはコウノトリ目トキ科の鳥。それがさらに亜科、属、種に分類される◆平たく言えば、エジプトの霊鳥は遠い祖先が親類で、いずれにせよ勤勉努力の血筋なのだろう。昨年に続く2回目のトキの放鳥が先月29日に佐渡で行われた◆今回羽ばたいた19羽のうち1歳の雌が昨年放鳥の雄2羽と餌場にいたと確認された。群れの形成と繁殖を期待する。勤勉努力の象徴を絶滅させてなるものか◆放鳥後最初の試練、台風18号をトキたちはどう切り抜けただろうか。

2009年10月8日13時41分  読売新聞)
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