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10月7日付 よみうり寸評

 〈傘かしげ〉――〈肩引き〉と並んで道路で人とすれ違うときの心得。いわゆる〈江戸しぐさ〉の中でもよく知られた所作の一つだ◆お互いに右肩を後ろに引き、対面する形ですれ違うことを肩引きという。雨の日に互いに傘を外側に傾けて、ぶつからないようにすれ違うのが傘かしげだ◆譲り合いの心があれば、特に狭い道ならだれでもこうするのが当たり前だろう。雨の日なら傘をすぼめてすれ違うという知恵もある。〈江戸しぐさ〉は難しい教えでも何でもない。互いに気持ちよく共に生きるための心構えを動作にしたものだ◆きのう、大阪・中之島の土佐堀川沿いの遊歩道で、すれ違いの際、互いの傘が当たったトラブルから通勤途中の会社員が相手に刺されるという事件があった◆会社員は自転車で、相手は歩き。口論の末、腹などを刺され3週間のけが。警察は殺人未遂で男の行方を追っている。当世の大阪の事件で江戸しぐさを思う◆江戸しぐさは、大阪でもどこでも、世界中の今に生かしたいしぐさだと思う。

2009年10月7日13時59分  読売新聞)
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