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春秋(10/6)

 JR福知山線事故の報告書漏洩(ろうえい)問題について事実関係などを調べる、JR西日本の第三者によるコンプライアンス特別委員会が動き出した。ぜひ究明してほしいのは、山崎正夫前社長らトップが、なぜ不正を働いたのかという点である。

▼山崎前社長は、国鉄時代に先輩だった旧国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の委員から報告書の原案を手に入れて、改ざんまで依頼していた。悪いことだと子供にもわかるような行為である。事故の1年後に副社長から社長に昇格した山崎氏は自らの使命を「安全性を最重視する企業風土づくり」と言ってきた。

▼あきれた所業は社長時代のものだ。この8月末で社長を降りたが、今も取締役兼執行役員として会社に残っている。まじめな社員はいたたまれないだろう。だが社長など経営トップが問題を起こすのは別に珍しくない。これまでにも大手金融機関や大企業のトップが、総会屋事件や粉飾決算などで逮捕されている。

▼実は会社で最も危ないのは一番偉い人ではないか。チェックするのが難しいうえ、魚は頭から腐るというように会社全体をおかしくするからだ。非常識な企業風土がいったん出来上がると、常識を捨てないと偉くなれない。そんな会社の社長に誠実さを求めてもないものねだりだ。さてあなたの会社はどうだろう。

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