HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 58622 Content-Type: text/html ETag: "10447b-15ab-5f66840" Expires: Sat, 03 Oct 2009 21:21:10 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 03 Oct 2009 21:21:10 GMT Connection: close 五輪東京落選 「南米で初」には勝てなかった : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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五輪東京落選 「南米で初」には勝てなかった(10月4日付・読売社説)

 「東京にもう一度、聖火を」という願いは、かなわなかった。

 国際オリンピック委員会(IOC)は、2016年の夏季五輪の開催地に、ブラジルのリオデジャネイロを選出した。1964年以来、2度目の開催を目指していた東京は落選した。

 「日本中が沸いたあの感動を再び」「五輪を経済活性化の起爆剤に」といった期待が大きかっただけに、残念な結果である。

 リオデジャネイロ、マドリード(スペイン)、東京、シカゴ(米国)による招致レースは、大接戦だった。オバマ大統領が招致演説を行ったシカゴが、1回目の投票で脱落したことが、混戦ぶりを物語っている。

 東京は、2回目の投票で最下位に沈み、落選となった。シカゴの支持票が東京に回らなかったことが、直接の敗因といえよう。

 半径8キロ圏内に競技会場を集中させる「コンパクトな五輪」が、東京の最大のセールスポイントだった。良好な治安や充実した都市機能、安定した財政基盤などもアピールしてきた。

 だが、「南米で初の五輪開催」というリオの訴えに比べ、説得力を欠いた感は否めない。

 五輪開催に対する世論の支持率の低さも、マイナスポイントだった。IOCの調査では、東京での支持率は、4都市の中で最低の55・5%にとどまり、マドリードの84・9%、リオの84・5%に比べ、大きく見劣りしていた。

 鳩山首相が招致演説を行い、国を挙げて取り組んでいる姿勢を示したが、カバーしきれなかったということだろう。

 東京は、競技施設への太陽光発電の導入など自然エネルギーの活用や、大規模な緑化計画も打ち出していた。こうした環境対策は、今後の都市計画に生かしていかなければならない。

 厳しい経済状況の中、スポーツ界にも逆風が吹いている。それだけに、五輪の地元開催は、スポンサー確保などの呼び水になるという期待もあった。

 「東京五輪」という大きな目標はなくなったが、スポーツ界は引き続き、競技レベルの維持、向上を図っていくことが大切だ。

 石原都知事は、20年大会への再立候補について、「都民や国民の意見をよく聞き、積極的に考えていきたい」と語った。

 再び招致を目指すのなら、今回以上に世論を盛り上げ、世界にアピールできるようなプランの練り直しも必要となるだろう。

2009年10月4日01時03分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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