HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 58584 Content-Type: text/html ETag: "ff3bd-1618-3fbd73c0" Expires: Sat, 03 Oct 2009 02:21:06 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 03 Oct 2009 02:21:06 GMT Connection: close 自治体財政 夕張を再び出さないために : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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自治体財政 夕張を再び出さないために(10月3日付・読売社説)

 「第2、第3の夕張」を出さないため、自治体がより早い段階で財政改善に取り組む。そうした法律の趣旨が一応生かされた、と言えよう。

 総務省が地方自治体財政健全化法に基づき、昨年度決算による自治体の財政状況を公表した。

 財政破綻(はたん)している北海道夕張市が、国の管理下で再建を目指す「財政再生団体」になった。大阪府泉佐野市など21市町村は、自主的に財政立て直しに取り組む「早期健全化団体」とされた。

 各自治体は、来年3月までに財政再生・健全化計画を作成することが義務づけられる。

 2007年度決算では、夕張市のほか北海道赤平市と長野県王滝村が再生団体、和歌山市など40市町村が早期健全化団体だった。

 両団体の数がそろって減ったのは、各自治体が1年間かけて、主体的に歳出削減や行政改革に努めてきた成果にほかならない。

 特に、赤平市は今回、再生団体だけでなく早期健全化団体入りも免れた。特別交付税の増加や暖冬による除雪費用の縮減という外的要因もあったが、基本的には、職員給与の削減、市立病院改革などの自助努力のお陰だろう。

 財政健全化に特効薬はない。

 どの事業を優先し、どの事業を断念するか。いかに無駄遣いの排除を徹底するか。各自治体は、議会や住民とも率直に話し合い、行革の具体策に知恵を出し合って、地道に取り組む必要がある。

 外部の会計監査を通じて、民間の視点や発想を取り入れることも大切だ。国も、各自治体をきちんと側面支援し、健全化策を助言することが求められる。

 今回、早期健全化団体にならなかった市町村や、その住民にとっても、人ごとではない。危険水域に入る前に、自治体の財政状況を点検することが重要だ。

 水道、病院など公営企業会計については、61会計が資金不足の判定基準を上回った。07年度決算の156会計と比べると、やはり相当程度、改善している。

 病院事業の資金不足が53会計から10会計に大幅に減少したのは、08年度に特例債の発行が認められたことが大きい。

 地域医療の崩壊が指摘される中、公立病院が最後の拠点となっているケースも少なくない。

 経営の効率化や、周辺の医療機関との役割分担・ネットワーク化に取り組むのは当然としても、最低限の医療サービスは確保する必要がある。国としても、一定の支援措置を続けるべきだろう。

2009年10月3日01時27分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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