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社説2 世界が問うイランの変化(10/3)

 イランの核開発問題について米国、英国、フランス、ロシア、中国、ドイツの6カ国とイランの協議が1日に開かれ、6カ国は国際原子力機関(IAEA)による無制限の査察受け入れなどをイランに求めた。イラン側も協議継続に前向きで、これまでより柔軟な姿勢を示した。

 今回の協議が問題解決の突破口につながるよう、イラン側は具体的な行動を急ぐ必要がある。主要国との協議が動き出したことは国際的な孤立から脱却するための重要な契機でもあり、イランは核兵器開発の疑念と不信の解消に結びつくような措置を早急に打ち出すべきだ。

 オバマ米大統領はイランとの対話を探る一方、9月下旬に英仏首脳とともにイランがIAEAに申告していない核関連施設の存在を発表し、外交圧力を強めた。東欧へのミサイル防衛システム配備計画の中止によってイラン対応でロシアとの連携も進めやすくなった。こうした布石は、イランに対応の変化を促す一定の効果を発揮し始めたといえる。

 昨年7月以来となった1日の6カ国とイランの協議では、米国とイランの直接会談も並行して開き、米国側はイランの人権問題なども提起したという。事実上の米・イラン対話開始とみることもできるだろう。

 6カ国との協議でイランは、低濃縮ウランの一部をロシアとフランスに委託して濃縮度を高め研究用原子炉の燃料にする計画で原則合意したという。独自の濃縮に固執したイランが部分的とはいえ柔軟姿勢を見せた格好で、「信頼醸成への一歩」(オバマ大統領)と評価していい。

 6カ国とイランは月内に再び会合を開くなど協議を継続する。だが、協議の継続自体を目的化すべきではなく、核の軍事転用を防ぐ具体的な成果が問われる。米欧は年末までに大きな進展がない場合に対イラン制裁を強化する用意も示している。

 イランはまずIAEAが今月実施する査察に全面協力し、抜き打ち査察も認めるIAEAの追加議定書の批准を急ぐべきだ。イランとの通商関係を拡大している中国は上海協力機構などの場を通じてイラン説得を強める責任がある。核軍縮推進に意欲をみせる鳩山政権もイランへの働きかけをさらに強めるべきだ。

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