HTTP/1.1 200 OK Date: Tue, 29 Sep 2009 20:18:06 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:谷垣新総裁 自民にも『チェンジ』を:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

谷垣新総裁 自民にも『チェンジ』を

2009年9月29日

 自民党新総裁に谷垣禎一元財務相が選出された。来年夏の参院選を政権復帰の足掛かりにするには、党再生の姿を示し、国民の信頼を回復しなければならない。自民党にも今「チェンジ」が必要だ。

 自民党史上、これほどまでに低調な総裁選はなかった。党員の投票率は安倍晋三氏を選出した三年前より15ポイント近く下がった。

 国民の関心は、政権交代の成果を引っ提げて訪米し、国連総会や日米首脳会談などに臨んだ鳩山由紀夫首相に集まり、総裁選に関する報道量が圧倒的に少なかったことは否めない。

 しばらくは民主党ブームが続くであろう容易ならざる時期に、野党党首として火中の栗(くり)を拾う谷垣氏に、まずは敬意を表したい。

 「みんなでやろうぜ」。谷垣氏は総裁選で、衆院での圧倒的多数を背景にした民主党政権と対峙(たいじ)するには、百九十九人に減った自民党衆参両院議員が結束しなければならないと訴えた。

 谷垣氏の勝利は、自民党議員と党員の多くが、民主党と戦うには挙党態勢の構築が最善の選択肢と考えたことを意味する。

 ただ、自民党が苦境に立たされるたびに叫ばれてきた「挙党態勢」という言葉は、くせものだ。

 谷垣氏が主張するように、老壮青のいずれを排除することもしない、端的に言えば、ベテラン議員の「知恵と経験」を難局打破のため活用することに異論はない。

 ただ、それによって従来のように長老議員や派閥幹部らが影響力を維持すれば、旧態依然と批判された党の体質は変わらない。

 河野太郎元法務副大臣は地方での街頭演説で「腐ったリンゴを樽(たる)に戻せば樽の中は全部腐る。勇気を持って取り除くための総裁選だ」と、長老支配打破の必要性を強調。百票を超える地方票を得て、二位につけた。自民党への逆風を常日ごろから肌身で感じている地方の声には重みがある。

 報道各社の世論調査では、自民党が再び政権復帰できると考えている人は七割近くに達している。

 しかし、今回の総裁選を通じて衆院選の敗因として浮かび上がった長老支配や派閥政治を放置しては、参院選で政権復帰の足掛かりとなるだけの議席を確保することは難しい。

 谷垣新総裁は党再生に全精力を傾け、自民党が本当に生まれ変わったという姿を国民に示さなければならない。「チェンジ(変革)」という言葉は何も、日米民主党の「専売特許」ではないのだ。

 

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