HTTP/1.1 200 OK Date: Wed, 30 Sep 2009 03:17:34 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:東京・大田区を横断するように流れる呑川。護岸はコンクリート…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2009年9月30日

 東京・大田区を横断するように流れる呑川。護岸はコンクリートで固められて清流にはほど遠い。先日、池上本門寺付近を散歩中に川底をのぞくと、大きなカメがいた▼気持ち良さそうに甲羅干しをしているのを数えると、百メートルほどの間に十四匹。大物は体長三〇センチはありそうだ。区役所に聞くと、正式名はミシシッピアカミミガメ。要するに祭りや縁日で売っていたミドリガメが大きくなって飼育できなくなり、川に捨てられたらしい▼ボラやハゼなどの死骸(しがい)もエサにしているようだ。厳しい環境の中、必死に生きているカメの姿はけなげだが、しぶとさでは政界のこの人も負けてはいない▼郵政民営化に反対して自民党を飛び出し、国民新党をつくった亀井静香氏。民主党との連立政権で金融・郵政改革担当相に就任し、真っ先にぶち上げたのが、中小企業向け融資や個人向け住宅ローンの返済を三年程度猶予する「モラトリアム構想」だった▼「貸しはがし」などに悩む中小企業には朗報に違いないが、私的な契約に政府が事後的に介入することは、市場経済をゆがめるという原則論が立ちはだかる▼政府や民主党内の慎重論にも、亀井氏は「首相が反対なら、私を更迭すればいい」と意に介さない。亀井氏が落とそうとしている強力な「爆弾」をどう処理するのか。問われているのは、鳩山政権の中小企業支援策だ。

 

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