地域おこしのマスコットには「ゆるキャラ」が大人気のようだ。のほほんとしていて憎めない雰囲気の、ゆる〜いキャラクターである。「ひこにゃん」で有名な滋賀県彦根市では来月、全国のお仲間を集めたサミットが開かれるという。
▼この人もどこか、ゆるキャラの風情がある。野に下り、すっかり元気がなくなった自民党の再建を担う谷垣禎一さんの座右の銘は「和をもって貴しとなす」。温厚、中庸で波風立てずといった印象だ。かつて加藤紘一元幹事長が乱を起こしたとき、「あなたは大将なんだから」と泣いて引き留めた谷垣さんだった。
▼破竹の勢いの鳩山民主党と、さてどう戦うのか心配する声もあろう。しかし若いころの歩みをみると、なかなかユニークな新総裁ではある。登山に熱中し、大学は留年を重ねて27歳で卒業、司法試験に挑むも合格は34歳のときだった。意外に苦労人なのかマイペースなのか。宇宙人との対決で底力を見せてほしい。
▼「オレはキャラが立っている」と自負していた前総裁が大敗北を招いた後だ。こういう癒やし系の人も悪くはないのだろう。とはいえ、こんどは自身が大将なのだから優柔不断なことでは困る。町おこしのゆるキャラは救世主になることもあるがそっぽを向かれるケースも少なくない。泣き顔などは禁物だそうだ。