HTTP/1.0 200 OK Age: 1 Accept-Ranges: bytes Date: Tue, 29 Sep 2009 21:21:07 GMT Content-Length: 8376 Content-Type: text/html Connection: keep-alive Proxy-Connection: keep-alive Server: Zeus/4.2 Last-Modified: Mon, 28 Sep 2009 14:48:34 GMT NIKKEI NET(日経ネット):社説・春秋−日本経済新聞の社説、1面コラムの春秋

音声ブラウザ専用。こちらより記事見出しへ移動可能です。クリック。

音声ブラウザ専用。こちらより検索フォームへ移動可能です。クリック。

NIKKEI NET

社説2 谷垣新総裁は政権競う旗を(9/29)

 自民党の第24代総裁に谷垣禎一氏(64)が就任した。衆院選での歴史的大敗を踏まえた党の再生を担い、基本政策の見直しや古い体質からの脱却に取り組むことになる。厳しい状況をバネに、政権奪還に向けた新たな旗を明確にしてほしい。

 自民党総裁選は国会議員票199、地方票300の合計で争われた。谷垣氏は1回目の投票で300票を獲得し、河野太郎氏(46)の144票、西村康稔氏(46)の54票に大差をつけて当選を決めた。

 谷垣氏は総裁選で党運営では老壮青のバランスを重視する姿勢を示し、河野、西村両氏は脱派閥や世代交代に重点を置いた。安定感がある谷垣氏に軍配が上がったが、河野氏も地方票では109票を獲得し、健闘した。野党に転落し、河野流の党改革への期待が地方に多い党内世論を示している。

 新執行部が直面する最優先の課題は、失われた国民の信頼をいかにして取り戻すかだ。安倍晋三、福田康夫両首相の突然の退陣で自民党総裁選は4年連続となった。統治能力の低下は明らかで、まずは党幹部への人材登用や来年夏の参院選の候補者選びに万全を期す必要がある。

 自民党は衆参両院ともに民主党に議席数で大差をつけられている。鳩山内閣の発足直後の支持率は75%に達し、「脱官僚依存」や予算配分の見直しも好意的な評価が目立つ。政策面の対立軸があやふやなまま、国会運営で対決姿勢を強めるだけでは有権者の支持は得られない。

 谷垣氏は総裁選直後に両院議員総会であいさつし「自民党にはまだ果たすべき使命があるはずだ。国民のために何をやる政党であるのかをしっかり議論し、生まれ変わらなければならない」と強調した。

 民主党が掲げる「子ども手当」や高速道路の無料化などの目玉政策は財源に多くの不安を残している。社会保障制度や税制の抜本改革、外交・安全保障といった基本政策にもあいまいな部分が目立っている。

 谷垣新総裁は自民党が長く政権与党の座にあった経験を生かし、重要政策をめぐる党内論議の先頭に立つ必要がある。緊張感のある二大政党制が日本に定着するかどうかは、野党・自民党の奮起にかかっている。

社説・春秋記事一覧