HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 57924 Content-Type: text/html ETag: "ad6b8-1679-2cf24f00" Expires: Sun, 27 Sep 2009 22:21:10 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 27 Sep 2009 22:21:10 GMT Connection: close 教員免許制度 実効性を検証するのが先決だ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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教員免許制度 実効性を検証するのが先決だ(9月28日付・読売社説)

 問題のある制度を改めるのは当然だが、教育に関してはより慎重さが必要だろう。混乱して犠牲になるのは、学校現場であり、子どもたちだ。

 今年度始まった教員免許更新制について、民主党の輿石東参院議員会長は先に、早ければ年明けの通常国会に制度を改正する法案を提出し、2011年度にも中止する考えを表明した。

 一方、川端文部科学相は記者会見で「効果と現場の負担を慎重に見直す」と言うにとどめた。ただ、更新制とは別に、免許制度自体を見直し、教員養成期間を6年間に延長する意向を示した。

 更新制では、10年に1回、大学で30時間の講習を受け、修了認定されないと、免許が失効する。

 当初は指導力不足など不適格教員排除のため検討されたが、最新の知識や技能に刷新する制度という位置づけに変わった。免許取得時にはない適格性の審査が、更新時にあるのは不適当とされた。

 不適格教員には、指導改善研修など別の制度が設けられた。

 更新制では、毎年10万人前後が対象となる。昨年度は、本番と同様に受講時間に換算される「予備講習」が各大学で行われた。

 講習内容など課題はあるが、教員や大学からの聞き取り調査など検証が先決だ。教員が指導力を向上できたか調べる必要もある。

 民主党が過去に国会に提出した法案では、教員養成6年制のほかに、教員の普通免許状を一般免許と専門免許の2種類とし、一般免許を取得して8年以上の実務を経た後に、上級の専門免許を取るよう努力義務を課している。

 川端文科相の発言は、こうした制度を念頭に置いたものだ。

 教員養成6年制は、教育実習期間を延長するためだが、どれほどの効果が見込めるのか。養成課程の中身や体制を提示した上で、その是非を議論してもらいたい。

 文科省は今年度から、各大学を通じ、どんな勉強をした学生がどういう教員に育つのか、3年計画で調査を始めた。免許制度をどう見直すかは、こうした調査の結果も踏まえた上で検討すべきだ。

 教員が時間と労力を費やし、子どもと過ごす時間が減るだけなら子どもたちにも不幸なことだ。

 興味を持たせる授業、的確な生徒指導など、教員が時代に合った知識や技能を身につけるよう研鑽(けんさん)するのは、当たり前のことだ。

 更新制の背景には、教員に対する保護者らの不信感がある。その不信感をどう(ぬぐ)うか。それが議論の出発点でなければなるまい。

2009年9月28日00時52分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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