HTTP/1.0 200 OK Age: 275 Accept-Ranges: bytes Date: Sat, 26 Sep 2009 22:16:50 GMT Content-Length: 7627 Content-Type: text/html Connection: keep-alive Proxy-Connection: keep-alive Server: Zeus/4.2 Last-Modified: Sat, 26 Sep 2009 14:24:33 GMT NIKKEI NET(日経ネット):社説・春秋−日本経済新聞の社説、1面コラムの春秋

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春秋(9/27)

 「おれ実はカツマーなんだ」「あ、私も」。大学のゼミの同期会で、10人中3人がそう告白した。カツマーとは経済評論家、勝間和代さんの本の愛読者を指す。その増殖は社会現象化しアンチ本や「勝間和代現象」の研究書も登場した。

▼自身の経験をもとに勉強法や対人関係など成功術を指南する。働く女性の手本というだけではない。ご本人によれば、7対3で読者の多数派は男性。書くときは「市場が一番大きい」団塊ジュニア世代に焦点を絞るという。就職氷河期と不況を経た彼らには、格好のバーチャル(仮想の)上司になっている様子だ。

▼出版不況でも自己啓発は堅調分野。やはり啓発本が人気の本田直之さんはバーチャル上司の選び方を記す。成功体験が古い人はダメ。一社に勤め上げる昔と転職が当然の今では歩く道も変わるから旬の人を選べ。こうして組織の看板に頼らない勝間さん、本田さんらをひそかに心の師と仰ぐ若い社員が増えていく。

▼「ここはもう少し頑張れ」「今は少し肩の力を抜け」。日々顔を突き合わせ、部下の能力や性格を把握するリアル(現実の)上司こそ的確な助言や指導の担い手だったはずだが最近何やら影が薄くないか。「自分の最適なコーチは自分。上司に多くを求めるな」と勝間さんは書く。リアルはバーチャルに勝てるか。

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