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9月26日付 編集手帳

 企業や役所で不祥事が明るみに出るたびに浮かんでくる一首がある。〈方向性 遺憾 認識 結果的 大和言葉で謝りなさい〉(吉竹純)◆「不適切」も“謝罪用語”の常連組である。JR西日本・前社長のコメントにもその一語があった。「不適切な行為であったと反省し…」。福知山線の脱線事故を調査した国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の最終報告書案が、公表前にJR西側に漏れていた。前社長(当時社長)が漏洩(ろうえい)の工作をしたという◆会社に不利な記述を修正するよう、委員に働きかけた疑いももたれている。乗客106人が死亡した事故である。大和言葉で謝るとすれば、「わが身の行く末が気がかりで、亡くなった方のことなんて頭の中にありませんでした。ごめんなさい」ということだろう◆漏らした委員の罪も重い。「きみ、秘密を守れる?」「もちろん。でも、次の人が守れるかな…」という小話があるが、守秘義務を負う委員がジョークの世界の住人のように軽率で、事故調査の中立性を誰が信じるか◆漏らせと迫った側も、漏らした側も、大和言葉で謝ることから組織の出直しである。

2009年9月26日01時21分  読売新聞)
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