HTTP/1.1 200 OK Date: Thu, 24 Sep 2009 20:18:15 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:五輪招致大詰め 東京の思いを伝えたい:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

五輪招致大詰め 東京の思いを伝えたい

2009年9月24日

 二〇一六年夏季五輪の開催地決定が間近に迫った。東京をはじめとする四候補都市の招致レースは大接戦。最後にはぜひ、東京ならでは、日本ならではの五輪への思いを伝えたいものだ。

 二〇一六年夏季オリンピックの開催地は十月二日、国際オリンピック委員会(IOC)がコペンハーゲンで開く総会で決まる。IOC委員が投票し、過半数を得る都市が出るまで、最下位の都市を除外しながら投票が繰り返される方式だ。

 東京、シカゴ、リオデジャネイロ、マドリードという四候補都市の戦いは、最終段階を迎えてもほぼ横一線とみられている。今月初めにはIOCの評価報告書が公表され、それぞれに評価点や懸念材料が指摘されたが、勝負の行方は依然として見えないままだ。第一回投票でどこが落ちてもおかしくないほどの接戦が続いている。

 そしていよいよ大詰め。IOC総会では各候補都市が最終のプレゼンテーションを行う。各国首脳や著名人が招致の顔として集い、華やかに、また情熱的に委員に対してアピールを行う場だ。これが勝敗を左右したとされるケースも少なくない。長い招致レースの最後の大勝負である。

 そこで何を伝え、訴えるのか。東京は財政面やコンパクトな会場配置で高い評価を得ており、大会運営にも不安はない。ただ、評価報告書ではIOC調査による世論支持率の低さが指摘された。言い換えれば、会場計画などのハード面はすぐれていても、オリンピックという特別な大会を開く心、情熱の面でいまひとつ物足りないということだろうか。

 となれば、最後のプレゼンテーションではぜひとも、東京ならではの思いを伝えるべきだろう。日本でどれだけ五輪が愛されているか。その思いをどのように生かすのか。スポーツの素晴らしさ、五輪大会の魅力をどう伝えようとしているのか。大会にどんな個性をつけ加えようと思っているか−。それらを生きた言葉で語れば、ハード面の陰に隠れがちなハートの部分がIOC委員にも伝わるに違いない。五輪を愛する国民として、これから目指すべき五輪像も併せて披歴してはどうか。

 五輪招致となると、国を挙げての大掛かりな計画ばかりが注目される。招致レースではさまざまな戦略を駆使する激しい戦いが展開されてきた。が、その最後はオリンピックへの純粋な思いを熱く語って締めくくりたいものだ。

 

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