HTTP/1.1 200 OK Date: Fri, 25 Sep 2009 02:18:12 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:日米首脳会談 対等な同盟 具体像示せ:社説・コラム(TOKYO Web)
東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社説・コラム > 社説一覧 > 記事

ここから本文

【社説】

日米首脳会談 対等な同盟 具体像示せ

2009年9月25日

 鳩山由紀夫首相がオバマ米大統領と初めて会談した。首脳同士の信頼関係を築く第一歩にはなったが、「対等な同盟」の姿は見えてこない。十一月の大統領来日までに具体像の検討を急げ。

 日米首脳会談は、米大統領がニューヨーク滞在時に定宿とするホテルで行われた。日米同盟関係の強化を確認したほか、地球温暖化対策や世界経済、核軍縮・不拡散など地球規模の課題で緊密に協力していくことで一致した。

 今後四年間を有権者から託された両首脳の率いる日米両国が、どのような分野で協力するのか、その一端が見えてきたことは評価できる。

 会談では両首脳が、日本での政権交代をオバマ大統領誕生という米国での「チェンジ」に重ね合わせる打ち解けた場面もあった。約三十五分間という比較的短時間だったが、鳩山対米外交は、順調な滑り出しと言っていいだろう。

 ただ鳩山氏が、マニフェストで掲げた「緊密で対等な日米同盟関係」の構築に向けて「日米地位協定の改定」を提起することはなく、「見直しの方向で臨む」としていた米軍再編や在日米軍基地の在り方にも言及しなかった。

 さらに、来年一月以降は延長しない方針を明言している海上自衛隊によるインド洋での給油活動に触れることもなかった。

 鳩山氏が信頼構築を優先させ、初会談から応酬する事態を両首脳ともに避けたかったのは理解するが、日本が何を望むのか、いずれは鳩山氏自らが語らなければ、オバマ政権も対応に困るだろう。

 その一方で、鳩山氏は中国の胡錦濤国家主席との首脳会談で、持論の「東アジア共同体構想」を踏み込んで提案しており、米中間でバランスを欠いた印象もある。

 来年は太平洋戦争終結六十五年、日米安全保障条約改定五十年の節目の年に当たる。日米関係や在日米軍基地、日本の国際貢献が将来どうあるべきか、考えるいい機会だ。両首脳も引き続き、日米の課題について忌憚(きたん)ない意見交換に努めてほしい。

 鳩山氏は、給油活動に代わるアフガニスタン支援策や、在日米軍基地の75%が集中する沖縄県民の負担軽減のための具体策を明らかにする必要がある。それが「対等な同盟」の具体像を国民に分かりやすく示すことにもなるからだ。

 オバマ氏が初来日する今年十一月が、その結論を出す一つの節目になる。鳩山氏は外交面で構想力をより発揮すべきときだ。

 

この記事を印刷する