「女子飲み」が広がっているそうだ。文字通り気の置けない女子だけの飲み会を指す。女子といっても中高生や学生ではない。メンバーは職場の同僚同士などで年齢は20代から40代くらい。恋愛から仕事の情報交換まで、話題は幅広い。
▼お酌に気を使わない、だらだら長引かないなども人気の理由だ。飲み会の名だけではない。ブログなどで30代女子や40代女子との自称は珍しくない。若々しく、過剰にこびを売らず、同性の目にさわやかで、男子と対等だが肩ひじは張らず、自立しているが寄る辺無さも残る。そんな意味合いを込めているようだ。
▼衆院議員の女性比率が初めて1割を超えた。民主党の新人女性候補が多数当選した結果だ。パンツスーツ姿で闊歩(かっぽ)する彼女らを「ガールズ」と呼ぶ向きもある。半人前と揶揄(やゆ)する響きを感じるかもしれない。だが、ここはいっそ、今どきの「女子」ならではの清新さ、闊達(かったつ)さを発揮する契機と考えてはどうだろう。
▼女子飲みでの本音満載のおしゃべりを「ガールズトーク」と呼ぶ。「ガールズ政治」や「ガールズ演説」は、自由で心に届く。そう思う人が増えれば政治はぐっと身近になり、後に続く人も増える。同時代の女性、とりわけ若い世代があこがれるようのびのび働いてほしい。萎縮した優等生に人は魅力を感じない。