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春秋(9/22)

 一国の発展を測る物差しが国内総生産(GDP)一辺倒ではおかしい。休暇や家事、ボランティア活動、環境への配慮などにも価値を認め、生活の質や国民の幸福感も映した新しい指標が必要だ――。そんな提案をフランスがしている。

▼アイデアを携え先日演説したサルコジ大統領いわく、「我々は数字という名の宗教、市場という名の宗教をつくりあげ、それにがんじがらめになってしまった」。さらには「わが国はすべての国際機関に対し統計の見直しを促すための戦いを始める」。世界にもの申してやまぬこの勇ましさ、フランス流ではある。

▼ヒマラヤの小国ブータンが掲げる国の指標「国民総幸福」(GNH)はよく知られている。フランス版の新指標の提言は「経済力と社会進化の測定に関する報告」に基づく。仏政府の依頼で、ノーベル賞経済学者のスティグリッツ米コロンビア大教授、セン米ハーバード大教授らが1年半がかりでまとめたという。

▼今週の外交の舞台にサルコジ大統領は提案を持参するそうだが、さっそく英国辺りでは「休みが多い国が地位を上げたいのだ」といった茶々が入っているらしい。そういえば、「フランス流の休暇を取る(take French leave)」という英語には「ずる休みをする」との意味もある。さて、各国の反応はいかがか。

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