
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 59562 Content-Type: text/html ETag: "15de20-1cef-c476cdc0" Expires: Tue, 22 Sep 2009 03:21:06 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 22 Sep 2009 03:21:06 GMT Connection: close
![]() 鳩山経済政策 安定成長への道筋を示せ(9月22日付・読売社説)景気を着実に回復させて、安定した経済成長にどうつなげるか。鳩山内閣の経済成長戦略がいまひとつ見えてこない。 鳩山首相は就任記者会見で最優先課題を問われ、子ども手当など当面の家計支援策を挙げた。しかし、中長期の経済成長をにらんだ戦略は語らなかった。 日本経済の将来像がおぼろげでは、不安が残る。成長軌道に乗せる道筋を明確に示してほしい。 ◆雇用確保を最優先に◆ 日本経済は、急降下からやっと水平飛行に戻ったが、操縦を誤れば再び失速の恐れがある。 鳩山内閣は、大事な場面で政策のかじ取りを担う。まず、失業率が5・7%と、過去最悪になっている雇用の改善を図るべきだ。 失業者は1年前より100万人増え、うち3人に2人はリストラなど会社の都合で職を失った。 公約した雇用政策のうち、職業訓練中に手当を支給する求職者支援制度の創設など、失業の痛みを和らげる施策の具体化を急がねばならない。新卒の求人も激減している。就職氷河期の再来を防ぐ手立ても考えてもらいたい。 民主党の雇用政策には気がかりな項目もある。正社員にもリストラが広がる中、製造業の派遣労働などを原則禁止すれば、失業者がさらに増えないか。 最低賃金も性急に引き上げれば中小企業が追い詰められ、人員整理が加速しかねない。格差是正は大切だが、実行できる環境かどうか、見極めが肝要だ。 企業が抱える過剰雇用が600万人にのぼるとする政府の推計もある。「企業内失業」が実際の失業とならないよう、景気回復に万全を期さねばならない。 ◆危うい補正予算見直し◆ 実質国内総生産(GDP)は4〜6月期、5四半期ぶりにプラス成長を回復した。 とはいえ、主な要因はエコカー減税や省エネ家電のエコポイントの効果などで増えた消費と、海外経済の持ち直しによる輸出の回復で、持続力は頼りない。 日本経済の需要不足は、年換算で40兆円もある。公共事業などで内需を支えないと、来年にかけて政策効果が薄れ、景気が息切れする懸念がある。 ところが、鳩山内閣は、麻生内閣が編成した補正予算の一部を凍結する方針だ。公約した政策の財源に充てるためという。 今年度の後半に政策の空白が生じかねない。景気腰折れの引き金をひくような、財源優先の緊縮政策は好ましくない。 ◆内需産業をどう育てる◆ 危機対応と並行し、成長の基盤作りも忘れてはならない。 まず、行き過ぎた外需頼みの経済構造を改める必要がある。 鳩山内閣が、子ども手当などで内需拡大を図るというのも、外需依存を弱める狙いだろう。 だが、予算配分を家計に手厚くするだけで内需全体のパイは大きくなるまい。生活不安が強い中で手当を給付すれば、多くが貯蓄に回り、効果も低くなろう。 将来の不安を和らげ、収入が消費に回る割合を増やすには、年金など社会保障の充実が肝要で、その財源確保にも道筋をつけねばならない。安定財源と期待される消費税の引き上げ論議を早く始めることは、子ども手当の効果も高めるのではないか。 成長性のある新たな産業の育成も重要だ。環境・省エネなど日本が得意とする分野は有望だ。脱炭素社会をリードするため、技術革新を促してほしい。 高齢化時代に需要が高まる医療や介護分野は、雇用と成長をもたらす基幹産業に育てるためのテコ入れが求められよう。 ただし、外需から内需への移行を進めても、内外需の「双発エンジン」がバランスよく回り出すには、かなり時間を要する。 天然資源に乏しい日本が成長するには、外需で利益を稼ぎ、それを活用していかねばならない。 このため急成長が期待できるアジアなど新興市場の需要を取り込めるかどうかが焦点となる。 電気製品などは、中国や韓国などの低価格品が世界で販売を伸ばす一方、高機能だが価格も高い日本製品は苦戦気味だ。勝ち抜くにはコストを下げ、競争力を高めねばならない。 このため経済界には、国際的に高い法人税率の引き下げなどを求める声が多い。 しかし民主党の公約は、温室効果ガスの「25%削減」をはじめ、逆に企業に負担を強いるものが目立つ。企業を追い込めば、リストラや賃金カットで、やがて家計にもツケが回る恐れがある。 藤井財務相ら民主党内の「円高容認論」も気がかりだ。急激な円高は輸出産業に打撃となる。 野党時代とは受け止められ方が違う。不用意な発言で市場を混乱させてはならない。 (2009年9月22日01時13分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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