HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Sat, 19 Sep 2009 03:17:36 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:自民総裁選 自己変革の姿を見せよ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

自民総裁選 自己変革の姿を見せよ

2009年9月19日

 自民党総裁選が告示された。先の衆院選で大幅に議席を減らし、野党に転落した党を立て直すには、解党的な出直しが必要だ。論戦を通じて自己変革の姿を示さなければ、「自民党に明日はない」。

 下野して行われる総裁選としては二回目となる今回、西村康稔前外務政務官(46)、河野太郎元法務副大臣(46)、谷垣禎一元財務相(64)の三人が立候補を届け出た。

 谷垣氏を推すベテラン勢と、西村、河野両氏の支援に回った中堅・若手との世代間対決の構図。最大の争点は、党の再生だ。

 各候補者は再生に向けた自らの思いを堂々と語り、自己変革をリードする決意を示してほしい。

 衆院選の敗因を分析していた党再生会議は、報告書で「官僚依存で党内抗争に明け暮れる旧態依然とした体質と受け止められた」と指摘している。この分析に首肯する有権者は多いだろう。

 所見発表演説会でも各候補は「密室、派閥で決めるという批判に応えないといけない」(西村氏)「キーワードは世代交代と派閥政治からの脱却」(河野氏)などと訴えた。

 派閥政治や長老支配は長年、自民党の悪弊と指摘され、そこからの脱却に異論はない。ただ、派閥解消や世代交代は金銭スキャンダルや選挙敗北のたびに叫ばれながら、実現できなかった課題。問われているのは決断力と実行力だ。

 今、この悪弊から抜け出せなければ、戦後、長期政権を築いてきた自民党にも終焉(しゅうえん)が近づく。にもかかわらず、総裁選をめぐって派閥単位や長老主導の動きがいまだに幅を利かすのは極めて遺憾だ。

 西村氏の出馬は、歯に衣(きぬ)着せぬ物言いで長老議員に受けが悪い河野氏との間で中堅・若手の議員票を分散させ、河野氏を当選させないためとの見方が広がっている。派閥幹部や長老が「河野潰(つぶ)し」に動いたとしたら、危機意識が希薄だと断ぜざるを得ない。

 衆院選で新人が五人しか当選せず、若手が極めて少ない中、斬新な再生策を打ち出すのは至難の業だろうが、惰性で真の党改革はできないと心得るべきだ。

 総裁選は、所属国会議員百九十九票と都道府県連に割り振られた三百票の計四百九十九票で争われる。衆院選で議員数が激減したため、地方票の重みが増した。

 各都道府県連は国会議員の言動に惑わされず、地方の切実な声を三百票に託してほしい。それが党改革を促す大きな力となる。

 

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