HTTP/1.0 200 OK Age: 68 Accept-Ranges: bytes Date: Fri, 18 Sep 2009 22:20:00 GMT Content-Length: 8373 Content-Type: text/html Connection: keep-alive Proxy-Connection: keep-alive Server: Zeus/4.2 Last-Modified: Fri, 18 Sep 2009 14:33:33 GMT NIKKEI NET(日経ネット):社説・春秋−日本経済新聞の社説、1面コラムの春秋

音声ブラウザ専用。こちらより記事見出しへ移動可能です。クリック。

音声ブラウザ専用。こちらより検索フォームへ移動可能です。クリック。

NIKKEI NET

社説2 自民の「変化」を占う総裁選(9/19)

 18日に告示された自民党総裁選は衆院選大敗を受けた党の再生策を3氏が争う構図となった。かつてない厳しい状況で迎えたリーダー選びを党の理念や基本政策を問い直す機会ととらえ、政権奪還に向けて国民に何を訴えかけていくのかという議論を尽くしてほしい。

 総裁選に出馬したのは、届け出順で西村康稔衆院議員(46)、河野太郎衆院議員(46)、谷垣禎一元財務相(64)の各氏。衆院の議席が総定数の4分の1にまで激減した動揺はなお続いている。麻生太郎前首相の後継候補の顔ぶれは告示の直前までなかなか出そろわなかった。

 3候補は党本部の立会演説会でそれぞれ抱負を語った。西村氏は「密室で派閥単位で物事を決めることへの批判に応えなければいけない」と力説した。河野氏は「古い政治を引きずっている人間が党を牛耳っていることに対する怒りが衆院選の投票結果だ」と訴えた。

 谷垣氏は「自民党には果たすべき使命がある。一丸となり国民のために政治をする原点に立ち返る」と強調した。有権者の支持を一気に失った原因の分析と反省が総裁選の出発点であるのは間違いない。

 同時に自民党が問われているのは、難しい課題が山積する日本をこれからどのような国にしていくのかという明確なビジョンである。「世代交代」や「脱派閥」という内向きの視点だけでなく、野党党首として民主党への対立軸を明示できる力強い指導者が求められている。

 「脱官僚依存」などを旗印に走り出した鳩山内閣への期待度は高い。日本経済新聞社が実施した世論調査で新内閣の支持率は75%に達した。民主党の支持率は過去最高の58%となり、自民党の22%と大差がついた。ご祝儀相場の要素はあるにしろ、自民党への視線は厳しい。

 今回の総裁選は野党に転落した自民党が本当に生まれ変われるかどうかを占う最初の関門となる。

 巨大与党となった民主党に対抗する「健全な野党」の存在は不可欠である。しかし自民党が過去の成功体験を引きずって立ちすくんでいるままなら、二大政党制の一翼を担う勢力が将来も自民党であり続けるという保証はない。

社説・春秋記事一覧