HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 58105 Content-Type: text/html ETag: "add2e-15c3-8ee701c0" Expires: Thu, 17 Sep 2009 23:21:09 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 17 Sep 2009 23:21:09 GMT Connection: close 地価下落加速 政策の後押しで歯止めかけよ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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地価下落加速 政策の後押しで歯止めかけよ(9月18日付・読売社説)

 世界同時不況の直撃を受けた不動産市場の冷え込みで、地価は総崩れに近い状態だ。

 ただ、今春以降の国内景気の底打ち傾向に歩調を合わせるように、下落のスピードが鈍り始めた地点も出てきた。今後、全国的な地価の下げ止まりにつながるか、注意深く見守る必要があろう。

 国土交通省が発表した今年7月1日時点の都道府県地価(基準地価)は、全国の住宅地で前年比4・0%、商業地で5・9%それぞれ下落した。

 昨年、住宅地が5年ぶりに下落幅を広げ、商業地は2年ぶりに値下がりに転じた。今年はこの流れが一段と加速し、住宅地、商業地とも47都道府県すべてで、前年割れを記録した。

 東京、大阪、名古屋の3大都市圏の動きが象徴的だ。1990年代初頭のバブル崩壊以降、3大都市圏の地価は下落を続けたが、06年に16年ぶりに上昇し、08年まで3年連続で値上がりしていた。

 中でも、名古屋市や東京都心の一等地などは、海外から投資資金が流入し、前年比で20%、30%と値上がりする地点が続出し、ミニバブルが到来した、と警戒されたほどだった。

 それが一転。今回は、値上がりが激しかった地点ほど急激に反落した。全国の下落率ランキング上位には、大都市の繁華街や優良住宅地が、ずらりと並んでいる。

 実需を無視した投機の反動に加え、金融機関の融資態度が厳しくなり、不動産投資の資金確保が難しくなったことなどが原因だ。

 このまま地価は、長期低落に陥るのだろうか。カギを握るのが、全国の地価の先行指標とも言うべき東京都心の動きである。

 この1年間を半年ごとに区切った数値で検証すると、都心の住宅地では、15地点のうち9地点で前半より後半の方が、下落率が小さくなった。例えば、港区・六本木5丁目では前半の9・8%に対し、後半は5・4%である。

 都心の商業地29地点でも、17地点で同じような傾向が見られる。パニック的な土地の売り急ぎと買い控えが収まり、取引に落ち着きが出てきたということだろう。

 この傾向を定着させるためにも、政策の後押しが欠かせまい。まずは、着実な景気対策の実行である。土地取引への税制上の優遇措置も有効だろう。

 地価下落による資産デフレで、企業と消費者の心理をこれ以上冷やさないためにも、鳩山内閣は、迅速に対応する必要がある。

2009年9月18日01時31分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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