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9月18日付 編集手帳

 のちに首相も務める大物代議士の佐藤栄作氏が、ある案件をめぐり、満座のなかで当時自治省の財政局長、奥野誠亮(せいすけ)氏を(しか)りつけたという。「バッジをつけてから物を言え」◆当時、自治省の官房長だった後藤田正晴さんが回想録に書いている。いまで言う脱・官僚主導のひと幕だが、後藤田さんの判定では叱った佐藤氏の負けだという。〈バッジをつけてから物を言え、なんていうのは、理屈で負けたということですよ〉◆首相官邸が官僚の記者会見を禁止し、各省庁に通知した。議員バッジなき身は語るべからず、ということだろう◆世の人々が官僚の発言に、「大臣の話よりも筋が通って説得力があるわね」と感心すれば、鳩山政権は立つ瀬がない。官僚の口を封じ、国民の耳をふさいでおけば、理屈の負けは知られず済む…ということなのか、意義のよく分からない改革である◆官僚を拡声機の代わりに使いこなしてこその政治主導だろう。「バッジをつけてから物を言え」ではなく、「バッジをつけたつもりで物を言え」と、背中の一つも(たた)いて記者会見場に送り出す。そのくらいの器量がなくてどうする。

2009年9月18日01時27分  読売新聞)
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