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新人議員 「国事」を担う志と責任感を(9月16日付・読売社説)

 今日召集される特別国会の衆院本会議場の風景は、政権交代によって、がらりと一変する。議長席から見て、右側の第1党の席は、自民党に代わって民主党が陣取る。

 その半分近い広さを143人の同党新人議員が占める。

 初当選組には、民間企業や地方議員の出身者もいれば、議員秘書や官僚を務めた者も少なくない。政治経験が全くない人もいる。

 民主党政権下で、政治の何を変え、どんな政策を実行していくのか。初登院して議員バッジをつける今日からさっそく試される。

 代議士とは、国民を代表し「国事」を議する人という意味だ。まずは、国の基本法である憲法と国会ルールを定めた国会法を、改めて熟読してもらいたい。

 確かな時代認識を持ち、国家全体の行く末を常に視野に入れ、仕事を進めることも大事だ。

 「小泉チルドレン」と呼ばれた83人のうち、引き続き自民党から出馬して再選されたのは、わずか9人に過ぎない。

 民主党の新人も、明日はわが身かもしれない。国会や地元での地道な日常活動が何より重要だ。

 かつて、中曽根元首相は、黒ネクタイで初登院した。「米国占領中は喪中だ」というのがその理由だった。その後一貫して、自主憲法制定を唱え、首相時代には「戦後政治の総決算」を掲げた中曽根氏らしい出発だった。

 議員一人ひとりに、政治信条や理想があるに違いない。初登院の日の「志」を、政治家生活の中で貫いていってほしい。

 国会議員の活動の多くは、歳費や政党交付金など税金で支えられている。議員特権もあれば、利権絡みの金銭的な誘惑もある。それこそ、「生活者の視点」で身を正していくことが肝要だろう。

 いずれ、政務官などとして各府省に配置されることになる。

 民主党新人は、先輩とは違って与党として議員生活をスタートさせる。役所を「追及」するのではなく、「指示」する立場だ。

 最初から役人を使いこなすのは難しいだろう。行政の専門知識をもつ官僚から学ぶ気持ちで協働作業をすればいい。

 業界や各府省の権益を代弁する族議員になっては困る。ただ、政策に精通することは、官僚を説き伏せる武器になる。

 一方、自民党の新人はわずか5人にとどまる。それだけ、多くの仕事を受け持つ好機でもある。野党議員として、鳩山政権を厳しく追及する気迫が求められる。

2009年9月16日01時21分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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