HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 57554 Content-Type: text/html ETag: "ad6a5-15e2-a2f89800" Expires: Sat, 12 Sep 2009 23:21:08 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 12 Sep 2009 23:21:08 GMT Connection: close 核開発続行 北朝鮮への制裁を堅持せよ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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核開発続行 北朝鮮への制裁を堅持せよ(9月13日付・読売社説)

 核開発続行を公言する北朝鮮に、制裁の手を緩めることはできない。

 北朝鮮は、国連安全保障理事会あての書簡で、安保理が全会一致で採択した制裁決議1874を受け入れない姿勢を改めて強調した。

 要は、制裁を撤回しなければ核開発をさらに強化する、という新たな恫喝(どうかつ)である。

 使用済み核燃料の再処理は「最終段階」にあって、抽出したプルトニウムの「兵器化」を進めているという。核兵器への転用が可能なウランの濃縮実験についても「成功裏に行われ、完了段階に入った」と記している。

 挑発には、制裁措置の徹底的な履行で応じるほかない。

 米国務省はただちに、安保理が制裁対象とした北朝鮮の原子力総局と貿易会社に対し、資産凍結など追加制裁措置を発表した。

 日本も制裁決議の履行態勢を整え、厳しく対処すべきだ。先の通常国会で廃案となった北朝鮮貨物検査特別措置法案を改めて提出し、早急に成立させる必要がある。北朝鮮による決議違反行為を見逃すことがあってはならない。

 対北朝鮮包囲網は国際的な広まりを見せ、成果をあげている。

 8月末、アラブ首長国連邦は、北朝鮮からのコンテナを積載したバハマ船籍貨物船からイラン向けの武器を発見し、押収した。6月には、違法物資積載の疑いがかかったミャンマー行き北朝鮮貨物船が引き返す事例もあった。

 今回、北朝鮮は書簡の中で「対話」にも言及した。制裁が続く中でも「安保理の一部常任理事国」が対話するなら、「われわれも、核抑止力の強化を前面に掲げて対話に臨む」とした。

 北朝鮮が対話姿勢を見せたことは、制裁が効果をあげたためかもしれない。

 だが、北朝鮮は核開発をやめる気配をまったく見せていない。安保理の制裁が続くだけで対話がなければ、「自衛的な強硬対応措置」をとると警告すらした。

 長距離弾道ミサイルの発射や核実験のほか、これまで示唆してきた朝鮮戦争休戦協定の破棄宣言をする可能性がある。東アジアの緊張を高めることで米国に対話を迫る狙いがあろう。

 北朝鮮との対話は、6か国協議の共同声明で自ら約束した核廃棄について、北朝鮮が再確認することが前提だ。

 日米中韓露5か国は、制裁を堅持しつつ、緊密に協調しながら、北朝鮮の今後の行動を厳しく注視していく必要がある。

2009年9月13日01時07分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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