HTTP/1.1 200 OK Date: Sat, 12 Sep 2009 02:17:52 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:好戦的イメージが強かった前任者とはかなり違う印象のあるのが…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2009年9月12日

 好戦的イメージが強かった前任者とはかなり違う印象のあるのが米国のオバマ大統領だ。しかし、ならば彼の人は平和主義者か。残念ながら、否である▼上院議員時代の演説で曰(いわ)く、「すべての戦争に反対なのではない。愚かな戦争に反対なのだ」。「愚かな戦争」とは無論、イラク戦争。同国からの米軍撤退の方針は、その言に一致する。他方、大統領として増派を決めたのがアフガニスタン。だが、さればこちらは「賢い戦争」か▼アフガンでの戦いで「得たもの」がはっきりしないのとは裏腹に「失ったもの」は明白だ。夥(おびただ)しい数の命。兵士に加え、コラテラル・ダメージ(軍事行動に伴う民間人被害)の名の下、巻き添えによる民間人犠牲者も増え続けている▼それかあらぬか、最近の米紙の世論調査でも、アフガンでの戦いには「価値がない」と答えた人は51%に達しているという。英、独でも疑念が広がる。これが「賢い戦争」だろうか▼アフガンでは、人々の暮らしを支える分野で日本のできる貢献をしようというのが民主党の基本方針だ。ことの起こりである9・11テロからきのうで八年。鳩山さんは自衛隊の給油云々(うんぬん)より、いっそもっと大きな考え方の“チェンジ”をオバマさんに迫ってはどうか▼銃でできることには限りがある。そして、問題の解決に一つしか方法がないということは、めったにない。

 

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