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犬猿の仲とはいうが、両者は桃太郎の家来を仲良く務めている。まして、本能ではなく利害で動く人間ともなれば、小異を捨てて大同につくのは茶飯事。それも上げ潮の時は話が早いようだ▼民主党がつくる政権は、社民党と国民新党を加えた3党連立となることが決まった。在日米軍基地など、隔たりのある外交・安保分野は「小異」として玉虫色の合意文書に塗り込められた▼衆院の議席を動物の目方に見立てれば、民主は308キロのクマ、社民は7キロのスピッツ、国民新は3キロのチワワとでもなろうか。例えに他意はないが、小型犬にも独自の鳴き声があり、クマの背で黙してはいられまい。節目でのほころびをどう取り繕うか、クマの頭脳と度量の見せどころだ▼ところで、気がかりは119キロの自民イノシシである。クマに倒されてから元気がなく、気を取り直して猛進しようにも方向が定まらない。首相指名では「若林正俊」と書くそうだが、当の元農水相が言う通り、その名に意味はない。白紙よりましという情けない選択となった▼二大政党制の是非はさておき、最大野党がしっかりしないと「二大」の効用さえ分からない。小紙の世論調査では、76%が「立ち直って」とイノシシを励ましている。せめて総裁選では、国民の優しさと我慢に応えてほしい▼勝ってまとまり、負ければもめる。政治の非情を映して秋が深まる中、内外の課題は待ってくれない。雇用や福祉の不安、新型インフル、財政赤字、温暖化……。与野党が知恵を競って退治すべき「鬼」は多い。