HTTP/1.1 200 OK Date: Wed, 09 Sep 2009 00:18:33 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:街を歩くと意外な発見をすることがある。車だったら見落として…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2009年9月9日

 街を歩くと意外な発見をすることがある。車だったら見落としてしまうことも目にとまる。東京・銀座の並木通りで出会った「肩もみ師」もその一例だ▼仕事場は公衆電話ボックスの横のわずかなスペース。お値段は十分間で五百円と格安だ。折り畳みイスに腰掛けた客の肩をもむ。アジアの都市にはいるらしいが、東京で見掛けるのは初めてだった▼十年前から路上で肩もみを始めた木村精二さん(48)は銀座に出てきてから九年。雨の日以外は午前十一時ぐらいから夜八時ころまで、ほぼ毎日“出勤”する。デパートの店員など女性の常連客が多く、収入は「一人だったら食べていけるぐらい」だそうだ▼肩凝りがひどいので、木村さんにほぐしてもらった。たまに行くマッサージ店よりも心地よい。ぐいぐいっとツボが刺激されかなり楽になった。腕利きの肩もみ師に会えたのは街歩きの効用だ▼江戸の庶民は一日三万歩ぐらい歩いていた。明治から大正にかけてのサラリーマンも、同じぐらい歩いたという(『歩くとなぜいいか?』大島清)▼同書によると、中年になると、基礎代謝が低下し蓄えた栄養をエネルギーとして燃やす能力が次第に衰える。若い時と同じように食事すれば、脂肪の分解が悪くなり太ってくる。楽しく歩けば健康になるしストレス発散になる。秋のさわやかな風の中、歩き始めてみませんか。

 

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