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社説2 国家戦略局を生かす態勢に(9/8)

 新たな民主党政権の主要人事が固まりつつある。新設する「国家戦略局」の担当相は菅直人氏、外相は岡田克也氏が就任し、幹事長となる小沢一郎氏を含めて重厚な布陣となる。政権交代を踏まえた制度改革には難しい課題が山積しており、党一丸で国民の期待にこたえてほしい。

 国家戦略局のトップを務める担当相は、民主党が衆院選で掲げた「脱官僚依存」を実現する要のポストとなる。予算の骨格や外交戦略などを首相直属でまとめ、各省への司令塔役を果たす。鳩山由紀夫代表は担当相に副総理と党政調会長も兼務させる考えを明らかにしている。

 菅氏は新党さきがけに所属していた1996年に橋本内閣で厚相に就任し、薬害エイズ問題の原因究明や被害者救済で成果をあげた。民主党でも先頭に立って「官僚組織による税金の無駄遣い」を追及し、担当相は適任といえるだろう。

 ただ、国家戦略局の権限やスタッフの人選などはまだ不透明な要素が多い。鳩山氏は政権発足に合わせて「戦略室」をまず立ち上げ、秋の臨時国会で関連法の改正を目指す方針だ。予算のムダ削減などは同じく新設の「行政刷新会議」が担う。

 民主党は2010年度予算案の骨格の見直しや09年度補正予算に盛り込まれた不急・不要の予算の執行停止を打ち出している。新政権にとって最初の関門となり、足元の景気動向にも配慮しながら時間との戦いを強いられる展開が予想される。

 首相官邸を中心とした一元的な政権運営の実現には、予算編成への影響力低下や行政権限の縮小を懸念する各省の抵抗が避けられない。平野博文氏が就任予定の官房長官をはじめ、財務相など有力閣僚との役割のすみ分けも重要な課題となる。

 外相となる岡田氏の責任も重い。民主党は衆院選のマニフェスト(政権公約)で、外交や安全保障政策に関するあいまいな表現が目立った。対米関係では継続性にも配慮したバランスのとれた対応が求められる。

 政治主導は歴代政権も試みたが、首相直属の会議の運営を実質的に官僚が握るケースも多かった。政治家が責任を持ち、縦割り行政の弊害を無くす行政システムの確立に向けて党を挙げて取り組んでほしい。

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