HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 57340 Content-Type: text/html ETag: "21ad44-158f-1818c480" Expires: Sun, 06 Sep 2009 22:21:06 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 06 Sep 2009 22:21:06 GMT Connection: close 税制改正 財源確保に道筋をつけよ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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税制改正 財源確保に道筋をつけよ(9月7日付・読売社説)

 暮らしに直結する税金の仕組みが、民主党政権の誕生で大きく変わることになりそうだ。

 民主党は政権公約で、所得税の配偶者控除と扶養控除の廃止や、法人税の優遇などを含む租税特別措置の抜本見直しを打ち出している。

 公約の目玉である「子ども手当」の財源を確保するための事実上の増税だ。だが、個々の世帯や企業の負担がどう変わるのか、公約だけではよく分からない。民主党は早急に改正点の検討に入り、具体像を示すべきだ。

 中学生以下の子ども1人に月2万6000円の手当を配るには、5・3兆円の財源が要る。民主党は来年度は支給を半額にとどめ、控除見直しは2011年度に先送りする方針だ。

 手当の支給を先行させ、来年の参院選に向けた実績としたいのだろう。しかし、痛みを伴う財源確保を後回しにするのでは、真の公約実現とは言えまい。

 控除の見直しは年末の来年度税制改正で議論し、できる限り詰めておく必要がある。子ども手当に対しては、「支給に所得制限を設けるべきだ」との声もある。必要なら額や支給時期、方法の見直しもためらうべきではなかろう。

 租税特別措置は国税分だけで約300項目、減税の総額は7兆3000億円にのぼる。産業振興などを図る一時的な措置だが、目的を終えてずるずる延長されている措置も多い。

 政策目的や必要性をもう一度洗い直す意義はある。しかし、不透明な措置を打ち切れば、ただちに財源が生まれるわけではない。

 減税規模の大きい特別措置をやめればまとまった税収が入るが、そうした措置ほど影響は大きい。障害者の預金利子の非課税など弱者に配慮した措置や、中小企業への設備投資減税など景気対策を担う措置もある。

 存続が必要なものは、本則として位置づけし直すことも必要になろう。財源確保ありきでの強引な打ち切りは慎むべきだ。

 民主党は税制決定の仕組みも見直す方針だ。これまでは政府と与党の税制調査会が並立していたが、今後は政府内に設ける新政府税調に一元化する。新税調は国会議員で構成される見通しだ。

 多くの人や企業の利害を左右する税制改正では、幅広く要望を聞くことが肝要だ。新組織で来年度改正に取り組むなら、残された時間は少ない。新内閣の発足後、すみやかに新たな体制をつくらねばならない。

2009年9月7日01時18分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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