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9月4日付 編集手帳

 製薬会社の副工場長は肩書の「副」が不満で、その字を(のろ)うほど嫌っていた。ある日、新薬に添付する説明書の草稿に目を通してほしいと秘書に言われ、内容にかまわず「副」の字を削った。刷り上がった説明書にいわく、〈本薬はいかなる作用もありません〉◆相原茂さんのジョーク集「笑う中国人」(文春新書)にある。どういう言葉もやみくもに目の敵にしていれば、ときに策を誤る。「ダム」も、そうだろう◆無駄な公共事業の代表格として評判の悪いダムにも、例外がないではない。国土交通省が群馬県に建設中の八ッ場(やんば)ダムは、流域の1都5県が利水・治水の要として完成を待ちかねている◆建設中止を公約に衆院選を戦った民主党には思案のしどころだろう。工事継続を新政権が検討しても、メンツにこだわらない「変化」を有権者は褒めこそすれ、「変節」とはみなすまい◆工事を中止すればしたで、支出済みの自治体負担分は国が返還しなくてはならず、国庫は相当に傷む。税金の無駄をなくすはずが、あとあと、〈本改革はいかなる作用もありません〉でした…と説明書が付くようでもいけない。

2009年9月4日01時28分  読売新聞)
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